社用車内で下着盗撮し逮捕
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社用車内で下着盗撮し逮捕
社用車内で女性のスカート内を盗撮した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
兵庫県神戸市内の会社に勤める男性Aさん。
社用車で外回りをする際、助手席のダッシュボード付近に小型カメラを設置し、助手席に乗った部下の女性社員のスカート内を盗撮しました。
しかし、女性は偶然、カメラの存在に気が付きました。
帰社途中、コンビニに立ち寄ってAさんが1人で車に出た際、女性はカメラを回収し、帰社後に別の上司に相談。
その上司から問いただされたAさんは、盗撮を認めました。
警察にも通報され、Aさんは長田警察署の警察官によって逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~迷惑防止条例違反になる可能性あり~
社用車でスカート内を盗撮したAさん。
このような行為は、都道府県によっては、迷惑防止条例違反になる可能性があります。
まずは上記事例の兵庫県の迷惑防止条例を見てみましょう。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第3条の2第2項
何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
商業施設や電車・バスなどでの盗撮は、公共の場所・乗物での盗撮に当たり、別の条文で禁止されています。
今回の社用車での盗撮のように、公共的ではない乗物での盗撮は、上記条文に違反したと判断される可能性があります。
つまり社用車は、「不特定又は多数の者が利用するような…乗物」に該当する可能性があるのです。
罰則は、原則として6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
盗撮常習者の場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となる可能性もあります。
ただし、会社によっては、特定かつ少数の人しか利用しない社用車というのもあるでしょう。
その場合は、この条文に該当しないと判断されるケースもありえます。
また、都道府県によっては、公共の場所・乗物での盗撮しか規制しておらず、今回のようなケースの立件が難しい場合もあります。
~逮捕された後の流れ~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
その後、検察官が刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判を受け、執行猶予とならない限り、そこで判断された刑罰を受ける流れになります。
比較的軽い犯罪では、被害者と示談をすみやかに成立させたり、家族の監督が見込めるといった事情があれば、勾留されずに釈放されたり、検察官が刑事裁判にかけないという判断(不起訴処分)をして、前科も付かずに手続きが終わることもあります(今回は大目に見てもらうということ)。
~弁護士にご相談ください~
盗撮が発覚した場合、不安点だらけだと思います。
たとえば、そもそも犯罪になるのか、逮捕されるのか、逮捕されたらいつ釈放されるのか、示談はどうやってするのか、どれくらいの刑罰を受けそうか、取調べではどうのように受け答えしたらいいのか、家族が監督できることを検察官や裁判官にどう示していくのかなど…
事件ごとの具体的な事情をもとにして見通しをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
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