盗撮と私選弁護人

2019-03-30

盗撮と私選弁護人

東京都江東区に住むAさんの妻Bさんは,警視庁深川警察署から「旦那さんを盗撮で逮捕しました」との連絡を受けました。
突然の逮捕に驚いたBさんは,まずは旦那と面会しようと思い警察に連絡しましたが,「しばらくは面会できない」と断られてしまいました。
そこで,Bさんは弁護士に接見してもらうべく,刑事事件に強い法律事務所に接見を依頼しました。
Bさんは,弁護士の接見後の報告を受け,その際,私選弁護人と国選弁護人の違い,私選弁護人を選任するメリットなどについて説明を受けました。
(フィクションです)

~ 私選弁護人と国選弁護人 ~

刑事事件弁護士は私選弁護人と国選弁護人に分けられます。
私選弁護人とは,被疑者その他弁護人選任権のある方から選任された弁護士のこと,国選弁護人とは,勾留状を発布された(勾留された)被疑者が貧困等の事由により弁護人を選任することができない場合において,被疑者の請求により,国によって選任された弁護士のことをいいます。
私選弁護人は費用がかかる,国選弁護人は費用がかからないなどというイメージを持たれているかとは思いますが,具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

* 選任の条件 *

私選→特になし。
国選→資力が50万円未満であること。資力申告書を提出する必要があること(虚偽記載の場合10万円以下の過料に処せられることがある)

* 選任時期 *

私選→なし(立件前・逮捕前でも,逮捕期間中でも,とにかくいつでも可)。
国選→勾留状が発布されてから(逮捕前,逮捕期間中は選任不可)。

* 費用 *

私選→自己負担。
国選→原則国が負担(自己負担なし)。

* 選任・解任の自由 *

私選→自由。
国選→自由に選べないし,いつでも解任できるわけではない。

* その他 *

私選→刑事事件に特化した法律事務所,あるいは精通している弁護士を選ぶことができる
国選→上記と逆

 弁護士費用の相場 

盗撮事件の弁護士費用はおおよそ60万円から180万円が相場ではないかと思われます。
ただし,弁護士費用は事件の難易度(認め事件か否認事件か),件数,実際に活動した内容(かかった実費,交通費)などによって変動があります(さらに,事務所の料金システムによっても上下変動があります。)。
弊所では,初回接見の報告時や無料法律相談時に正確な金額や内訳についてご説明させていただいています。

~ 私選弁護人を選任するメリット ~

弁護士費用は決して安い金額ではありません。誰しも,高額な金額を支払う見返り(結果)を求めるものです。私選弁護人を選任したからといって,必ずよい結果を期待できるわけではありません。しかし,一般的に以下のメリットがあります。私選弁護人にしようか,国選弁護人にしようか迷われている方などはぜひ参考にされてください。

* 逮捕期間中から面会できる *
  
逮捕期間中とは,通常,逮捕されてから勾留決定が出るまでの期間のことをいいます。
この期間は時間で換算すると約72時間です。上記でもご紹介しましたが,実は,この期間は弁護人となろうとする者(当番弁護士など),あるいは私選の弁護人としか接見することができません(一般の方の面会は法律上認められていません)。
一日でも早く家庭に戻ってきて欲しい,はやく釈放させてあげたい,などとお考えの方は私選弁護人を選任された方がいいでしょう。

* 釈放に向けた弁護活動を行ってもらえる *
 
私選弁護人であれば,逮捕期間中から警察官や検察官,裁判官に釈放してもらえるよう働きかけることができます。
これにより早期釈放が可能となります。また,仮に勾留された場合でも,不服申し立てをしてもらえます。不服申し立てが認められた場合は10日間の勾留満了日を迎える前に釈放されます。

* 被害者との示談交渉が可能となる *
 
盗撮行為を認める場合は示談交渉が有効な弁護活動です。
そして,示談交渉を始めるにあたっては,被害者の個人情報(氏名,住所,電話番号等)を取得しなければなりません。
しかし,被害者はもちろん,警察や検察の捜査機関も被害者の個人情報を本人に教えません。
この点,弁護人であれば個人情報を取得できる可能性が高いです。
また,弁護人であれば適切な形式・内容で示談を成立させることが可能で,のちのちのトラブルも回避することができます。
示談を成立させることができれば不起訴処分を獲得できる可能性も高くなります。

* 裁判で弁護活動をしてくれる *

盗撮を認める場合,ただ,裁判でいくら反省しているなどと述べても,あまり説得的ではないでしょう。
この点,弁護人であれば,第三者的立場からより効果的により説得的に,本人にとって有利な情状を主張することができます。
盗撮を否認する場合は,被害者,目撃者等に対する反対尋問等を行ったり,有利な証拠を提出したりします。

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