盗撮カメラ設置事件(福岡市東区)

2019-02-18

盗撮カメラ設置事件(福岡市東区)

Aは、福岡市東区内のショッピングモール内の女子トイレに盗撮目的で侵入し、誰もいない隙に小型カメラを設置した。
なお、盗撮カメラの設置はしたものの、Aの設定ミスにより、盗撮カメラには映像は残っていなかった。
福岡県東警察署の警察官は、Aを建造物侵入罪及び福岡県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。
Aの家族は、盗撮事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~盗撮のための侵入・カメラの設置行為~

まず本件のAは、ショッピングモールの女子トイレへ侵入した行為につき建造物侵入罪で逮捕されています。
刑法130条前段は、「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し……た者」を住居侵入罪や建造物侵入罪に処する旨を規定しています。
本件では、ショッピングモールは住居ではなく「人の看守する……建造物」に当たるため、建造物侵入罪が問われることになります。
Aは、盗撮目的を秘してショッピングモールおよび同施設内の女子トイレに侵入しており、管理者の意思に反してこれらの場所に立ち入ったことは明らかといえることから、建造物侵入罪の成立が認められることになるでしょう。
建造物侵入罪は罰則として「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」を定めています。

つぎに、Aはショッピングモールの女子トイレ内を盗撮するためにカメラを設置しており、この点につき福岡県のいわゆる迷惑防止条例違反で逮捕されています。
迷惑防止条例は、各都道府県が制定する条例であることから、当該都道府県ごとに規定に微妙な違いがあります。
しかし、トイレに盗撮目的でカメラを設置する行為に関しては、以下のように処罰する規定を置いていることがほとんどです。
福岡県の迷惑防止条例の例を見てみましょう。

第6条第1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1 他人の身体に直接触れ、又は衣服の上から触れること。
2 前号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

第3項
何人も、正当な理由がないのに、第1項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1 公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
2 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。

したがって、Aの盗撮目的のカメラの設置行為は福岡県の迷惑防止条例違反として処罰される可能性が高いといえるでしょう。
こちらの罰則としては「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(同条例11条2項)などと規定している都道府県が多いのが現状です。
なお、実際に撮影した場合には、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(東京都の迷惑防止条例8条2項1号参照)と法定刑が加重する都道府県もあることに注意が必要です。

本件では、女子トイレ内に盗撮用のカメラを設置するために、ショッピングモール内の女子トイレに侵入していることから、女子トイレに侵入したことによる建造物侵入罪と盗撮カメラを設置したことによる迷惑防止条例違反は、手段と結果の関係にあるといえ、牽連犯(54条1項後段)として「その最も重い刑により」処断されることになります。
したがって、本件ではより重い建造物侵入罪(刑法130条前段)の刑が科される可能性があることになります。

警察官に逮捕されてしまうと72時間以内に検察官による勾留請求がなされ、10日間に及ぶ勾留という身体拘束を認めるかどうかが判断されることになります。
これは、単純計算で勾留満期まで最大13日間(勾留延長された場合を除く)の身体拘束の可能性が生じることになり、さらに勾留延長がなされればそこから10日間の身体拘束がなされますから、その社会的不利益は甚大です。
したがって、弁護士としては逮捕段階において、勾留の要件(刑訴法207条1項本文、60条1項)を満たさないことを主張するために検察官に働きかけるなど迅速な弁護活動を行っていくことが重要になってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
建造物侵入罪及び迷惑防止条例違反事件で逮捕された方のご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐにお問い合わせください。
福岡県東警察署までの初回接見費用:36,000円

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