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【報道解説】女性の下半身をカメラで盗撮 盗撮前に逮捕

2022-09-07

【報道解説】女性の下半身をカメラで盗撮 盗撮前に逮捕

女性の下半身カメラ盗撮しようとして、盗撮行為前に迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「動物園を訪れた女子高校生の下半身を小型カメラ盗撮しようとしたとして、兵庫県警神戸水上署は24日、自称・県立明石城西高校教諭の男(57)(明石市)を県迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕した。
盗撮目的で動物園に来た。動画を撮ろうとした』と容疑を認めているという。
発表では、男は24日午後3時15分頃、神戸市中央区港島南町の『神戸どうぶつ王国』で、長方形の小型カメラをサイドポケットに入れたリュックサックを手に持ち、来園客の女子高校生(16)のキュロットパンツの下に近づけ盗撮しようとした疑い。
不審な動きを目撃した別の来園客の男性が男を取り押さえ、施設からの通報で駆けつけた警察官に引き渡した。

(8月25日に読売新聞オンラインで配信された報道より引用)

【盗撮前でも逮捕される?】

今回取り上げた事件が起きた兵庫県が定める迷惑行為防止条例3条の2第1項2号では、「公共の場所」や「公共の乗物」において、正当な理由がなく、人の通常衣服で隠されている身体や下着を撮影する目的で、写真機・ビデオカメラといった撮影機器を「設置」する行為(同項2号)を禁止しています。

今回逮捕された男性は、動物園で、小型カメラをサイドポケットに入れたリュックサックを手に持ち、盗撮目的で女子高校生のキュロットパンツの下に近づけたとのことです。

この「公共の場所」には興業場が含まれると考えられていますので、動物園は「公共の場所」に当たると考えられます。

ただ、リュックサックのサイドポケットに小型カメラを入れただけでは、撮影機器を「設置」したとは言えないでしょうから、同項2号に違反した可能性は低いと考えられます。
では、なぜ男性が逮捕されたのかというと、兵庫県迷惑行為防止条例3条の2第1項1号では「公共の場所」や「公共の乗物」において人に不安を覚えさせるような「卑わいな言動」を行うことを禁止していますので、盗撮目的で小型カメラをサイドポケットに入れたリュックサックをキュロットパンツの下に近づける行為が「卑わいな言動」に当たると捜査機関が判断し、逮捕された可能性があります。

このような「卑わいな言動」をした場合の法定刑は兵庫県迷惑行為防止条例15条1項に定められており、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

【盗撮事件を起こして警察に逮捕されてしまうと…】

このように、実際に盗撮を完了していなくても盗撮を試みたことによって警察に逮捕される可能性があります。
盗撮事件で警察に逮捕されると、その後に、自宅の家宅捜索が実施され、スマートフォンやカメラ、パソコン、ハードディスクといったものを警察が押収してその内容を解析するといった形で、逮捕された件以外にも盗撮をしたことがないかということが捜査される場合が多いです。
仮に、他にも盗撮したデータが見つかり、常習的に盗撮をしていたということが明らかになった場合、単に盗撮をした場合よりも重い刑事罰が科されることになります。
例えば、兵庫県迷惑行為防止条例15条2項は、常習的に卑わいな言動盗撮をした場合の法定刑について1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定めており、刑の上限が先ほど説明した同条例15条1項の法定刑の上限の倍となっています。

そのため、盗撮事件について警察の捜査を受けているという方は、いち早く弁護士にご相談されることをお勧めします。
捜査の初期段階から弁護士が事件に介入することで、不必要に重い刑罰が科されることを避けることが期待できるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
盗撮事件を起こしてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】チアリーディング女性を盗撮する不審事件

2022-08-28

【事例解説】チアリーディング女性を盗撮する不審事件

学生スポーツ等の応援中のチアリーディング姿の女性を撮影盗撮)して不審者情報が出された場合の法的責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「Aさんは、夏の高校野球の大会が開かれている甲子園球場を訪れて、生徒の保護者に紛れてアルプススタンドに座りました。
Aさんの隣では、高校のチアリーディング部の女子生徒たちがチアリーディング姿で応援していました。
チアの女子生徒たちが応援に熱中しているさなか、Aさんは、女子生徒たちの胸を、チアのユニフォーム姿の上から小型カメラで撮影しました。
その際に、Aさんの様子を不審に思った周りの人から、『何をしているのか』と聞かれたAさんは急いでその場から逃げ出しました。」
(この事例はフィクションです)

【衣服を着た状態での撮影は罪?】

盗撮行為は、各地方自治体が定める迷惑行為防止条例によって規制されています。
甲子園球場がある兵庫県が定める迷惑行為防止条例でも、盗撮行為を罰則をもって規制の対象にしています。

兵庫県迷惑行為防止条例において、盗撮行為として規制の対象としているのは、「人の通常衣服で隠されている身体又は下着」を撮影したり、トイレや風呂などの「人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人」を撮影する行為です。

そのため、たとえば、球場において応援中の女子生徒のスカートの中にカメラを差し入れて下着の中を撮影したり、球場の女子トイレに隠しカメラを設置したりすれば、盗撮行為として規制の対象になりますが、事例のAさんのように、衣服の上から女子生徒の胸を撮影する行為は、こうした盗撮行為には当たらない可能性が高いと考えられます。

【卑猥な言動】

もっとも、だからといってAさんの撮影行為が罪に問われないということではありません。

兵庫県迷惑行為防止条例3条の2第1項1号では、公共の場所または公共の乗物において、人に対して、不安を覚えさせるような卑わいな言動を行うことを禁止しています。
卑わいな言動」にあたる典型的な行為としては、スカートをまくる行為や、持っている物で相手の胸や臀部に押し付ける行為、女性に「エッチしよう」と声をかける行為などがありますが、衣服の上からの女性の姿を撮影した行為が「卑わいな言動」に当たるとした裁判例が実際にあります。
たとえば、東京高等裁判所令和4年1月12判決は、公共の場所において、被告人が小型カメラで、被害女性のブラウス着用の胸部付近やスカート着用の臀部を撮影した行為を「卑わいな言動」に当たるとして、被告人に懲役8か月の有罪判決を下しました。

そのため、球場における女子生徒の胸を衣服の上からの撮影行為も、公共の場所における不安を覚えさせるような「卑わいな言動」として、当局の摘発の対象になる可能性がある行為です。
なお、兵庫県迷惑行為防止条例では、このような「卑わいな言動」をした場合、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります(同条例15条1項)。

【チア姿の女性を撮影してしまいご不安な方は】

衣服を着た女性を撮影した行為が「卑わいな言動」として罰則が科されるかは、そのような撮影行為が、人に不安を覚えさせるようなものでなければなりませんので、撮影の具体的な状況いかんによっては、「卑わいな言動」に当たらないと判断される可能性があります。
このような判断は非常に難しいものになりますので、ご自身で安易に判断なさらずに、まずは、弁護士にご相談して、専門的な知識に基づくアドバイスを受けられることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
野球場でチア姿の女性を撮影してしまいご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】医師が健診中にスマホで盗撮

2022-08-06

【報道解説】医師が健診中にスマホで盗撮

企業の健康診断中に医師が起こした盗撮事件に関する刑事責任と弁護活動ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】
令和3年11月と今年6月、甲府市内で健診中に、胸ポケットに入れたスマートフォンで20~30歳代の女性4人の下着姿を盗撮した山梨県迷惑防止条例違反盗撮)の公訴事実により、甲府地検は7月26日、30代男性医師を甲府地裁に起訴しました。
(令和4年7月28日の読売新聞オンラインより引用)

【医師による盗撮事件】
上記刑事事件は、企業の健康診断中に医師が胸ポケットに入れたスマートフォンで複数人の女性の下着姿を盗撮したという事件です。

【盗撮事件の弁護活動】
盗撮事件を起こしてしまった場合には、①被害者との示談交渉、②逮捕されている場合には、早期の身柄解放を目指す身柄解放活動、③不起訴処分の獲得を目指した弁護活動が重要です。

初犯の盗撮事件では、被害者と示談が成立すれば不起訴処分を獲得できる場合もあります。
しかし、上記刑事事件例では、健診中に医師盗撮事件を起こしており、通常の盗撮事件と比べて悪質と考えられます(医師には、診察を受ける方やその関係者のプライバシーについて、より厳しい倫理観が求められるでしょう)。
また、被害者の方も4人おられるため、不起訴処分は難しいケースであったかもしれません。

上記刑事事件は、医療従事者による診療に対する信頼を損なうものであり、社会からも厳しい目が向けられると思われます。
また、医師免許についても何らかの不利益な処分がなされる可能性があります。
このような事件を起こしてしまった場合、まずは盗撮事件に詳しい弁護士と相談し、今後の事件解決に向けてアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
盗撮事件に関してお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】風俗嬢を盗撮目的でスマホを設置

2022-07-15

【事例解説】風俗嬢を盗撮目的でスマホを設置

風俗嬢とのプレイ中の様子を撮影するためスマホを録画状態で設置したケースの刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例紹介】

「名古屋の栄にあるラブホテルにデリヘル嬢Vさんを呼んだAさんは、Vさんとのプレイの様子を盗撮しようと思いつきました。
Aさんは、胸ポケットにスマートフォンを録画状態のまま入れたシャツをハンガーに架けて、カメラがベッドの方向に向くように設置しました。
不審に思ったVさんが部屋の様子を見回してみると、不自然な向きでシャツがハンガーに架けられていることに気が付いたので、すぐに店の責任者に連絡しました。
駆け付けた責任者に事情を聞かれたAさんは、『盗撮をしようとしたけれども実際にVさんの裸は撮影していない』と言いましたが、責任者からは全く話を聞いてもらえませんでした。
困ったAさんは、とりあえず連絡先を責任者と交換して後日話し合いをすることになりました。」
(この事例はフィクションです)

【実際に撮影していなくても犯罪になる?】

Aさんが風俗店の責任者に行った「盗撮しようとしたけれども実際に盗撮はしていない」という弁明は通るのでしょうか。

盗撮行為は各都道府県が定める迷惑行為防止条例によって規制されています。

Aさんはラブホテルの一室で盗撮行為を行おうとしましたが、このようなラブホテルの一室は、事例で取り上げた愛知県が定める迷惑行為防止条例では、同条例2条の2第3項によって規定されている「人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」に当たることになるでしょう。

そして同項は、そのような「人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」において人の姿態を「のぞき見」る行為や「撮影する」行為を禁止していますが(同項1号)、それに加えて、のぞき見や撮影する目的で写真機等を「設置する」行為や「人の姿態に向ける」行為についても禁止しています(同項2号)。

そのため、ラブホテルの一室で性的なサービスを提供しているVさんの様子を実際には撮影していなくても、カメラ機能が備わっているスマホという撮影機器を録画状態にしてワイシャツのポケットにいれてVさんがプレイするベッドに向けて置いておくという行為は、愛知県迷惑行為防止条例2条の2第3項2号が禁止する撮影目的で写真機等を設置する行為に当たることになると考えられます。

従って、Aさんは愛知県迷惑行為防止条例2条の2第3項2号違反となりますので、仮に起訴されて有罪となった場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることになります(同条例15条1項)。

【デリヘルの盗撮関係でトラブルを起こしたら】

事例のようにデリヘル嬢を盗撮しようとスマホを録画状態で設置した、あるいは実際に盗撮したことが店側に発覚して、店側と話合いをすることになっているという方は、まずは弁護士にご相談されるのが良いでしょう。

こうしたケースでは、店側から慰謝料などの名目で金銭の支払いを請求されることが予想されますが、これは店側から示談交渉を求められているものと考えることが出来ます。
このような店側との示談交渉にあたっては弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士示談交渉を依頼するメリットとしては、支払う金額や示談の条件などについて店側としっかりと交渉することが出来ることが期待できますし、また、締結した示談について、後で反故にされてトラブルを蒸し返されることのないように、正式に有効な物として扱うことが出来るような示談交渉を行うことが出来るでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風俗店において盗撮関係のトラブルを起こしてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談下さい。

【事例解説】駅構内の盗撮で逮捕

2022-07-04

【事例解説】駅構内の盗撮で逮捕

駅構内のエレベーターにおける盗撮により、東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「東京都に住むAさんは、通勤時に使用している東京駅にある上りエレベーターにおいて、自分の前にいたVさんのスカートの中を盗撮するために、録画モードにした自分のスマートフォンをVさんのスカートの中に差し入れました。
盗撮行為が完了後、その場を移動しようとしたところ、突然見回りをしていた鉄道警察隊の警察官に取り囲まれて、その場で東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんの帰りを自宅で待っていたAさんの妻であるBさんは、その日の夜に、警察より「Aさんを今日の朝に逮捕したので、しばらくは家に帰れない。明日は検察に行く予定。」との連絡をもらい、Aさんがどういう状況であるのかが全く分からず不安な気持ちでいました。
(この事例はフィクションです)

【事件を検察に送致するとは?】

駅構内という「公共の場所」において、「人の通常衣服で隠されている下着」であるスカートの中の様子をスマートフォンで盗撮する行為は、東京都迷惑行為防止条例5条1項2号ロに違反する行為です。
そのため、Aさんが、東京都迷惑行為防止条例5条1項2号ロに違反したことを理由に起訴された場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることになります(同条例8条2項1号)。

事例ではBさんは、警察からAさんを逮捕したことや、次の日には検察に行くことを説明されました。

この「検察に行く」というのは、Aさんが起こした盗撮事件検察官送致するということを意味していると考えられます。

逮捕したAさんの身柄を警察が無制限に拘束しておくことはできませんので、警察はAさんの身柄を拘束しておく必要があると判断した場合は、逮捕してから48時間以内に検察に事件を送致しなければなりません。
そして、事件を警察から検察送致する際には、逮捕後に作成した調書や証拠となる物と一緒に、逮捕したAさんも検察に送る必要がありますので、事件を送致するとなった場合には、一度警察から検察へと移動することになります。
事件の送致を受けた検察官はAさんに対して弁解の機会を与えて、Aさんの弁解内容を聞きます。

Aさんの弁解を聴いた後で、検察官も引き続きAさんの身柄を拘束しておく必要があると判断した場合は、Aさんの身柄を受け取ってから24時間以内に裁判官に対して勾留請求をすることになります。
勾留請求を受けた裁判官は、Aさんと直接面談する勾留質問を行い、この結果、勾留の要件を満たすと判断した場合は、勾留が決まることになります。

事件を検察送致してから裁判官の勾留質問までは1日で一気に行ってしまうことが比較的多いです。
そのため、「明日検察に行く」と説明された場合、その日のAさんのスケジュールは、朝に警察を出発して管轄の検察庁まで行った後、裁判所に向かうことになり、勾留質問を終えた夕方ごろに再び警察に戻ってくるという場合が多いと考えられます。

【ご家族の逮捕の連絡を受けたら】

警察からの連絡などをきっかけに、ご家族の方の誰かが逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらうことを依頼されることをお勧めします。
弁護士の初回接見は土日祝日を問わず自由に行うことができますし、また、留置されている警察署だけではなく、検察庁や裁判所でも行うことができます。
検察に事件が送致される前に弁護士が事件に介入することができれば、勾留請求勾留決定を回避する活動をとることが可能となります。

勾留が決まってしまうと、基本的には勾留請求をした日から10日間身柄が拘束されることになりますし、やむを得ない事由がある場合には最長で更に10日間勾留期間が延長される場合があります。
このようにひと月弱の期間にわたって身柄が拘束されてしまうと、仕事や学校生活などに大きな影響が出る可能性が高いです。
こうした長期の身柄拘束を回避するためには、いち早く弁護士に事件に介入させることが重要になりますので、ご家族の方が逮捕されたことを知ったら、真っ先に弁護士に相談されるのが良いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です
突然、警察から盗撮でご家族の方を逮捕したと連絡をうけてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】自宅トイレで知人を盗撮して逮捕

2022-04-29

【報道解説】自宅トイレで知人を盗撮して逮捕

トイレなど、通常人が衣服を身に着けない場所を盗撮することによる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「自宅のトイレなどに小型カメラを設置し知人の女性を盗撮したとして、京都市内の男子大学生が京都府迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは京都市左京区の22歳の大学生の男です。
調べによりますと、男は去年3月から12月にかけて、自宅のトイレや洗面所に小型カメラを設置し、知り合いの女子大学生3人の下半身などを盗撮した疑いがもたれています。
男は歯磨き粉のチューブや植木鉢の中などにカメラを仕込み、盗撮した動画をツィッターに投稿していたということです。
男のパソコンやスマートフォンからは20人以上の女性の盗撮動画がおよそ400本見つかっていて、調べに対し男は『性的な欲求を満たすためと動画を売ったらお金になると思った』などと話しているということです。」
(令和4年4月12日にKBS京都より配信された報道より引用)

【報道解説】

京都府迷惑行為等防止条例では盗撮行為を禁止していますが、令和2年1月18日より、着衣の全部又は一部を着けない状態の人に対する盗撮行為について、条例が一部改正されました。

改正前は「公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」(改正前京都府迷惑行為等防止条例第3条3項)と、「公衆」が立ち入る場所における、着衣の全部又は一部を着けない状態の人に対する盗撮行為について禁止していました。
これに対して、現行の京都府迷惑行為等防止条例第3条3項は、そのような「公衆」の存在を前提とせずに、「住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」での着衣の全部又は一部を着けない状態にある人の姿態を、著しく羞恥させ、又は不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法での盗撮行為を禁止し、盗撮行為が禁止される場所を拡大しました。

報道によれば、今回逮捕された男性が盗撮した場所は男性の自宅トイレや洗面所とのことですので、京都府迷惑行為等防止条例第3条3項1号違反として逮捕されたと考えられます。

ちなみに、京都府迷惑行為等防止条例第3条3項1号違反に違反すると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることになり(同条例第10条2項)、常習として違反した場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることになります(同条例第10条4項)。

なお、引用元の報道では盗撮した動画をツイッターに投稿してきたとありますが、このような行為は、わいせつ物頒布等罪(刑法175条1項)に当たる可能性があります。
わいせつ電磁的記録頒布罪が成立する場合、2年以下の懲役または250万円以下の罰金もしくは科料が科されるか、または懲役と罰金の両方が科されることになります。

【同様の盗撮ケース】

ここ数年、着衣の全部又は一部を着けない状態の人に対する盗撮行為が禁止される場所を拡大するため、迷惑行為等防止条例を改正した自治体が多いです。
改正によって、今回取り上げた報道と同様に自宅のトイレでの盗撮行為により逮捕・検挙されたケースが他の県でもありましたのでご紹介します。

1つ目は、兵庫県で自宅のトイレで知人女性を盗撮したとして逮捕されたケースです。
「自宅トイレに小型カメラ7台を仕掛けて女性を盗撮したとして、兵庫県警生活安全特別捜査隊と神戸西署は11日、県迷惑防止条例違反の疑いで神戸市西区の大学2年の男(27)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年2月10日午後6時半から同9時半ごろまでと、同月18日午後4時から同7時半ごろまでの間、自宅のトイレに小型カメラ7台を設置し、知人の女性=当時(26)=を盗撮した疑い。容疑を認めているという。」
(令和3年10月11日に神戸新聞で配信された報道より引用)

兵庫県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第3条の2第3項は、平成28年に新しく追加された条文です。
同項は、「何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。」とし、これに違反すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されることになります(同条例15条1項)。
改正によって、自分の家のトイレにおける盗撮行為を規制することが可能となり、紹介した兵庫県のケースも同条例第3条の2第3項違反の疑いで逮捕されたと考えられます。

2つ目は、香川県で自宅のトイレで知人女性を盗撮して書類送検されたケースです。
「自宅のトイレなどで知人女性を盗撮したとして、香川県警は21日、県警本部に勤務する30歳代の男性巡査長を県迷惑行為防止条例違反容疑で書類送検し、停職3か月の懲戒処分とした。巡査長は同日付で依願退職した。
発表では、巡査長は昨年8月~今年5月、自宅のトイレや脱衣所に小型カメラを設置し、5回にわたり、30、40歳代の知人女性2人の動画を撮影した疑い。県警の調べに「女性の下着姿を見たいという欲求が抑えられなかった」と話しているという。
巡査長が必要以上にトイレやシャワーを勧めてくることを不審に思った30歳代の女性が5月、警察署に相談して発覚したという。」
(令和3年7月21日に読売新聞オンラインで配信された報道より引用)

香川県においても、令和2年に迷惑行為等防止条例が改正される前までは、公衆の存在を前提とした場所における衣服の全部又は一部を着けない状態でいる人に対する盗撮行為を規制対象にしていたため、自宅のトイレや脱衣所での盗撮行為は規制の対象外という状況でした。
こうした中で、令和2年の改正により追加された香川県迷惑行為等防止条例第3条3項は、「浴場、便所、更衣室その他の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態」の盗撮行為を禁止することで、自宅のトイレや脱衣所における盗撮行為を規制対象とすることが可能になりました。
これに違反すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられることになります(同条例第12条1項)。
紹介した香川県のケースも、この香川県迷惑行為等防止条例第3条3項違反の疑いで書類送検されたと考えられます。

【盗撮の場合の刑事弁護活動】

盗撮事件の場合の刑事弁護活動としては、被害者の方との示談が重要になってくるでしょう。
弁護士に依頼して、被害者の方に対して謝罪の意思を示すことで示談を締結することが可能となれば、検察官による起訴を回避することも十分に考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、盗撮行為の被害者の方に対する示談交渉の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
盗撮行為をしてしまってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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