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公園で女児を盗撮して逮捕
公園で女児を盗撮して逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
埼玉県入間市に住む小学校教諭のAさん。
同市内の公園に行き、遊んでいた小学生や幼稚園児の女の子の下着やお尻を盗撮しました。
子供の保護者が盗撮するAさんに気が付き、警察に通報。
埼玉県狭山警察署の警察官が現場を訪れ、Aさんに対し、
「女の子を盗撮しているのではないかという通報がありました。カメラを見せていただけないでしょうか」と尋ねました。
もう逃げられないと観念したAさん。
警察官にカメラを見せたところ、盗撮動画が残っていたことから、その場で現行犯逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~迷惑防止条例違反~
小学校の教師が公園で女児に盗撮をした今回の事例。
場所こそ違いますが、実際にほとんど同じような事件が発生しています。
明るみに出れば、実名報道されたり懲戒免職処分になることも予想されます。
そして犯罪者として処罰されることも予想されます。
このような盗撮をした場合、まずは各都道府県が制定する迷惑防止条例違反に問われることが考えられるでしょう。
埼玉県の条例を見てみます。
※例として埼玉県迷惑防止条例
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第2条
4 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞しゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。
Aさんは公園という「公共の場所」において、「衣服で隠されている下着等」を撮影しているので、迷惑防止条例違反となるわけです。
罰則は、盗撮の非常習者の場合は6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
盗撮の前科があるなど、常習者として扱われると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となってしまいます。
~児童ポルノ禁止法違反の可能性も~
Aさんが盗撮したのは18歳未満の児童なので、撮影した内容によっては児童ポルノ禁止法違反にも問われる可能性があります。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第2条3項
この法律において「児童ポルノ」とは、…(中略)…、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を…(中略)…描写したものをいう。
1号・2号 省略
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
第7条5項
前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様(※3年以下の懲役または300万円以下の罰金)とする。
児童ポルノを作り出すこの犯罪は、「児童ポルノ製造」と呼ばれています。
たとえば女児のトイレ中の様子を撮影したような場合には、2条3項3号に該当する児童の姿態をひそかに写真等に描写して児童ポルノを製造したものとして、この罪に問われる可能性があるわけです。
罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金ですから、18歳以上の者を盗撮して条例違反のみに問われた場合よりも重く罰せられる可能性があります。
~示談で判決・処分が軽くなる可能性も~
一般に、犯罪の被害者に対し謝罪・賠償をして示談を結ぶと、判決が軽くなったり、不起訴処分になったりする可能性を上げることができます。
不起訴処分とは「今回は大目に見る」ということで、刑事裁判にかけられず、前科もつかずに刑事手続きが終了となる処分をいいます。
しかし盗撮事件では、加害者側が被害者側の連絡先を知らないことも多く、捜査機関を通じて連絡先を教えてもらう必要が出てきます。
ところが性犯罪の被害者側は、加害者側に連絡先を教えることに抵抗があります。
当然、教えてくれないこともありますし、教えてくれるとしても加害者の弁護士にだけ連絡先を教え、その弁護士は加害者自身には連絡先を伝えず、弁護士が加害者の代わりに示談交渉をするという形をとる必要があることも多いです。
そして今回のような事例では被害を受けた児童の親と交渉して示談交渉を進めることになります。
親は、自分の子供が盗撮被害に遭っているわけですから、スムーズに交渉が進むとは限りません。
お金を用意できても、必ずしも簡単に示談ができるとは言い切れないわけです。
~弁護士にご相談を~
あなたやご家族が盗撮などの犯罪をしてしまいお困りの際はぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
上述のように、弁護士を入れることによって示談ができる可能性を上げることができたり、今後の刑事手続きや処分・判決の見通しなどのアドバイスを受けることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
神奈川県小田原市で盗撮事件
神奈川県小田原市の盗撮事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件】
Aさんは神奈川県小田原市の国営公園内にあるプールで,スマートフォンを使って水着姿の複数名の女性を撮影しました。
Aさんの不審な動きに気付いた監視員が声をかけ,Aさんは逃走を試みましたがすぐに取り押さえられました。
間もなく通報を受けた神奈川県小田原警察署の警察官に引き渡され,Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)
【盗撮行為と犯罪】
盗撮とは,辞書的な意味でいえば被写体になる人物に気付かれないよう,こっそりカメラ等で撮影することをいいますが,これらの行為がすべて犯罪として処罰されるわけではありません。
神奈川県においては,盗撮行為は県が定める迷惑行為防止条例によって取締りの対象となっています。
迷惑行為防止条例は盗撮の他にも痴漢などを処罰する規定を含む条例です。
神奈川県迷惑行為防止条例 第3条第1項
何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
(2) 人の下着若しくは身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)を見、又は人の下着等を見、若しくはその映像を記録する目的で写真機その他これに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置し、若しくは人に向けること。
第2項
何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。
つまり,県が処罰対象としている盗撮とは,人を著しく羞恥させ,または人に不安を覚えさせるような方法で行われた撮影で,次の①または②の場合に当たるものをいいます。
①通常衣服で隠されている他人の身体や下着を撮影すること。
②便所や浴場など公衆が通常衣服の一部または全部を着けない状態でいるような場所で,衣服の一部または全部を着けないでいる状態にある人の姿態を撮影すること。
また,神奈川県では①や②の目的でカメラを向けるだけで犯罪となりますので注意してください。
神奈川県では,これらの盗撮行為によって迷惑行為防止条例違反が認められた場合の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
さらに,常習的に盗撮を行っていたと認められてしまった場合の法定刑は2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
それでは,①や②に当たらない場合は許可なく他人を撮影しても何ら犯罪とならないのでしょうか。
【衣服の上からの盗撮】
下着や着衣の下に隠された身体を撮影する目的があれば,撮影に失敗して衣服の上からの写真しか撮れなかったとしても盗撮として迷惑行為防止条例違反が成立することは説明しました。
では下着や着衣の下に隠された身体を撮影する目的がまったくなく,現に衣服の上から撮影したにすぎない場合は処罰されないのかといえば,必ずしもそうではありません。
神奈川県迷惑防止条例第3条第1項第3号によって,「何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で」「卑わいな言動」をしてはならないと規定されています。
何が「卑わいな言動」にあたるのか,必ずしも明らかでなくその場の警察官などの判断によるところが大きいのですが,撮影場所や時間,撮影方法などを総合的に考慮した結果,着衣の上からの撮影であっても「卑わいな言動」にあたるとして処罰される可能性があります。
今回のケースでは,Aさんは公営のプールで水着姿の女性を撮影しています。
事件の概要からは明らかではありませんが,撮影が長時間に及んでいたり,スマホを隠し持つような形で撮影していたりといった周囲に不安感を与えるような態様で撮影を行っていた場合は特に「卑わいな言動」にあたるとされる可能性は高くなると考えられます。
【盗撮事件の弁護活動】
もし盗撮による迷惑行為防止条例違反の被疑者となってしまったら,お早めに弁護士に相談することをおすすめします。
謝罪を聞き入れてもらったり示談を成立させることによって,その示談内容にもよりますがAさんのように逮捕されていたり勾留されている場合は早期の身体拘束からの解放につながる可能性を高めることができます。
同様に示談成立の場合は不起訴処分や執行猶予を得られることも多いです。
また,盗撮の目的がなかったことを示すことも当事者だけでは難しい場合が多いです。
否認事件であれば特に弁護士の力が必要になります。
盗撮行為で迷惑行為防止条例違反の被疑者となってしまった方,ご家族やご友人が逮捕されてお困りの方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
盗撮で逮捕されたが勾留前に釈放
盗撮で逮捕されたが勾留前に釈放
盗撮で勾留前の釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
東京都福生市に住むAさんは、同市内の駅構内において、小型カメラを忍び込ませた靴の先端部分を、前方で電車を待っていた学生Vさんのスカートの下に差し入れました。
この一部始終を見ていたWさんに「盗撮していませんか?」などと声をかけられ、そのまま駅事務所に連れて行かれました。
警視庁福生警察署の警察官も到着し、映像を見たところ、Vさんのパンツが写っていたことから、逮捕されてしまいました。
Aさんは接見に来た弁護士に勾留前に釈放されたいと伝えました。
(フィクションです。)
~東京都での盗撮規制~
東京都では迷惑防止条例で盗撮行為を規制しています。
条文を見てみましょう。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第5条
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 省略
2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
Aさんは、赤く色付けした部分に該当することになります。
つまり、駅構内という「公共の場所」において、Vさんのパンツという「人の通常衣服で隠されている下着」を、小型カメラという「写真機…を用いて撮影」してしまったわけです。
罰則は、盗撮の非常習者が1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
盗撮の前科があるなど常習者として扱われると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
~勾留前に釈放されることがある~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、まずは警察官の取調べ、続いて検察官の取調べを受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
逆に言うと、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されれば、検察官が勾留請求をせず、あるいは裁判官が勾留の許可をしないで、釈放されることがあります。
釈放されるためには、家族の監督が見込めること、性犯罪の予防の治療を行っている病院の治療を受ける意志があること、被害者に謝罪・賠償して示談を結ぶつもりがあることなどを示していくことが重要です。
特に示談を進めるということは、基本的に罪を認めていることが前提ですので、罪を免れようとして逃亡や証拠隠滅をするおそれはないと判断され、早期釈放に繋がりやすくなります。
釈放された場合もただちに無罪放免というわけではなく、自宅から出向いて取調べや裁判を受ける流れになります。
しかし示談が成立すれば、被疑者に有利な情状として考慮されます。
今回は大目に見るという意味で刑事裁判にかけずに刑事手続きを終わらせる不起訴処分となったり、裁判になっても判決が軽くなる可能性を上げることができます。
特に被害者様が、「裁判などに関わるのは面倒なので、示談をして事件を早く終わらせたい」と考えておられる場合には、しっかり謝罪・賠償する代わりに「被疑者を処罰は望まない」などという文言を示談書に入れてもらえることもあります(宥恕(ユウジョ)条項と言います)。
宥恕条項を入れることができれば、不起訴処分などの可能性はさらに上がることとなるでしょう。
~弁護士にご相談を~
とはいえ、どのように示談を勧めたらよいか、検察官や裁判官にどのようにして早期釈放をお願いしたらよいかなど、わからないことだらけだと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずは0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
トイレ盗撮で逮捕されたら
トイレ盗撮で逮捕されたら
トイレ内の盗撮で逮捕されるとどうなるのか、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
Aさんは東京都江東区内のコンビニや居酒屋などのトイレに小型カメラを設置し、盗撮するという行為を繰り返していました。
ある日、トイレを利用した女性客がカメラを発見。
知らされた店員が警察に通報し、捜査が開始されました。
店の防犯カメラの映像や、小型カメラに保存されたカメラ設置時の映像などからAさんの犯行と発覚。
Aさんは警視庁深川警察署の警察官に逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~迷惑防止条例違反に問われる~
小型カメラやスマホでの盗撮は、残念ながらよく行われている犯罪の1つです。
スカート内を盗撮するパターンも多いですが、トイレや更衣室に隠しカメラを設置しての盗撮もよく見受けられるパターンです。
特に、男女兼用のトイレは男性が入ってカメラを設置しやすく、数が多いように思います。
このような盗撮は、各都道府県が定めている迷惑防止条例違反、あるいは条例に規定がない場合には軽犯罪法違反になります。
東京都の条例を見てみましょう。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第5条
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
第1項 省略
第2項 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
Aさんの場合には、5条2項イに該当することになります。
この条文によると、規定された場所で下着や裸を「撮影」した場合はもちろん、盗撮するためにカメラを「設置」した時点で罰則の対象となっているので、盗撮に成功しなくても処罰されうることになります。
罰則は、カメラを設置しただけの場合は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、盗撮に成功した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
盗撮の前科があるなど常習者として扱われると2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
一方、都道府県によっては上記5条2項イのようなトイレ等の盗撮を処罰する条文がなく、同項ウのような公共の場所(駅や店など)での盗撮しか定められていない場合もあります。
この場合は軽犯罪法違反に問われることになるでしょう。
軽犯罪法1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
第23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
拘留とは1日以上30日未満の身体拘束です(懲役の短いバージョンのようなものです)。
科料とは1000円以上1万円未満の金銭徴収です(金額の安い罰金のようなものです)。
~逮捕後の手続は?~
逮捕された場合の刑事手続きについて、詳しくはこちらをご覧ください。
盗撮事件・のぞき事件の流れ
早期釈放や軽い処分・判決を目指すためには、被害者の方に謝罪・賠償して示談を結ぶことが重要となります。
何ら被害者への対応をしないよりも、印象が良くなるわけです。
ただ、トイレ盗撮の場合、加害者は被害者の連絡先を知らないことがほとんどです。
被害者が許可すれば警察や検察を通じて教えてくれる可能性はありますが、通常、性犯罪の被害者が加害者に連絡先を教えることは抵抗があります。
そこで、弁護士が代わりに示談交渉をするという形が採られることがよくあります。
被害者の連絡先を加害者に教えないという約束で、弁護士が被害者の連絡先を教えてもらい、示談交渉を進めていくのです。
このように、より良い事件解決に向けて全力でサポートしてまいりますので、あなたやご家族が何らかの犯罪で逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
スーパー銭湯の女湯に隠しカメラをしかけ逮捕
スーパー銭湯の女湯に隠しカメラをしかけ逮捕
今回は、スーパー銭湯の女湯を隠しカメラで盗撮してしまった場合における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは深夜、福岡県内のスーパー銭湯に忍び込み、女湯の浴室に隠しカメラを設置しました。
翌日にスーパー銭湯が営業を始めた頃、女性客から従業員に対し「カメラが設置されている」とのクレームが入ったので、従業員は福岡県警に通報しました。
スーパー銭湯の監視カメラに写っていた人物や、その人物が乗ってきた車のナンバーを確認したところ、Aさんが被疑者として浮上しました。
後日、Aさんは福岡県迷惑行為防止条例違反及び建造物侵入の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)
~Aさんに成立する犯罪は?~
Aさんには福岡県迷惑行為防止条例違反及び建造物侵入罪が成立する可能性が高いと思われます。
それぞれ解説していきます。
【福岡県迷惑行為防止条例違反】
スーパー銭湯の女湯に隠しカメラを設置、ないしは利用者を撮影した点について、福岡県迷惑行為防止条例違反となる可能性が高いと思われます。
福岡県迷惑行為防止条例第6条3項1号及び2号は、
何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法(人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法)で、
①公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること、及び、②前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること
を禁止しています。
Aさんが侵入したスーパー銭湯の女湯は明らかに上記「公衆浴場」に該当します。
このような場所で、利用者(浴場の利用者は衣服の全部又は一部を着けていないでしょう)を撮影すれば、上記に違反することになります。
さらに②によれば、上記のような場所で、利用者を撮影する目的でカメラをしかける行為自体も禁止されています。
したがって仮に利用者がカメラに写っていなかったとしても、やはり福岡県迷惑行為防止条例違反ということになります。
上記行為を行い、有罪が確定すると、盗撮の非常習者は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に、前科があるなど常習者と扱われれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
【建造物侵入罪】
この犯罪は、正当な理由がないのに、人の看守(管理)する建造物に侵入する犯罪です(刑法第130条前段)。
スーパー銭湯は「人の看守する建造物」に該当するでしょう。
「侵入」とは、管理権者の意思に反する立入りを意味します。
スーパー銭湯の管理者は、女湯を盗撮する目的で、深夜にスーパー銭湯の建物に立ち入ることを容認していないので、「侵入」に該当するでしょう。
仮に客として料金を払って立ち入った場合でも、盗撮用のカメラを設置する目的で立ち入ることは管理者としては容認していないと言えるので、やはり「侵入」に該当するでしょう。
したがってAさんの行為には建造物侵入罪が成立する可能性が極めて高いと思われます。
建造物侵入罪で有罪が確定すると、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます。
~Aさんはどうするべきか?~
逮捕されると、その後の勾留と呼ばれる期間も合わせて、裁判が始まる前の捜査段階だけでも最長23日間もの身体拘束を受けます。
今回の事件は、スーパー銭湯に侵入しているという点で、街中での盗撮事件よりも悪質といえますし、また、余罪の存在も疑われることになるでしょう。
したがって、適切な弁護活動を行わなければ、法律上可能な最長の期間の身体拘束がされる可能性が十分あります。
また、被害者(隠しカメラに写ってしまった人や、スーパー銭湯の管理者)とも示談を行い、生じさせた損害を賠償する必要もあります。
しかし、勾留を阻止して早期釈放を目指したり、示談をするためにはどうしたらよいか、わからないことだらけだと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が女湯を盗撮した疑いで逮捕されてしまいお困りの方は、ぜひご相談ください。
女子トイレ盗撮事件を弁護士が示談解決
女子トイレ盗撮事件を弁護士が示談解決
盗撮事件の示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
京都府京田辺市在住のAさん(20代男性)は、ショッピングモールの女子トイレ内に、盗撮カメラを設置したところ、被害者女性が盗撮カメラを発見して、警察に通報した。
防犯カメラの映像をもとにAさんに盗撮カメラ設置の容疑がかかり、Aさんは京都府田辺警察署から取調べの呼び出しを受けた。
Aさんは、取調べに行く前に、刑事事件に強い弁護士に法律相談して、どのように取調べ対応するかについて、事前に弁護士と打ち合わせをした。
警察取調べにおいて、被害者女性が警察に被害届を出していると聞いたAさんは、弁護士が被害者女性と示談交渉をすることで、事件を早期に解決することを、弁護士に依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)
~盗撮事件の示談交渉(起訴前)~
盗撮事件においては、各都道府県の制定する迷惑防止条例違反に当たるとして、刑事処罰を受けるケースが多いです。
迷惑防止条例違反の法定刑は都道府県によって異なりますが、盗撮常習者ではない場合については、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」や「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」と規定している条例が多いです。
京都府でも「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっています。
ただし、盗撮の前科があるなど常習者として扱われると「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります。
盗撮などの刑事事件では、警察での取調べが何度か行われて、調書作りや証拠集めが終わった後に、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるかどうか(起訴・不起訴)の判断がなされます。
検察官による起訴・不起訴の判断があるまでの間に、被害者に謝罪や賠償をして示談が成立した場合には、不起訴処分になったり、公開の裁判は開かれず簡易な手続で罰金刑にする略式起訴になったり、判決内容にプラスの効果が望めます。
特に、示談書に被害者は加害者の刑事処罰を求めない旨の文言を入れることができたり、示談成立により被害届が取り下げられれば、効果は強くなります。
ただし、盗撮事件では、被害者が加害者に恐怖心を抱いていることが通常であり、加害者と被害者の当事者同士の示談交渉は、捜査機関によって認められないケースが大半です。
そこで、弁護士を仲介させることで、弁護士だけが被害者側の連絡先を捜査機関を通じて教えてもらい、弁護士と被害者とで示談交渉を進めることが、重要となります。
盗撮事件の示談交渉の際には、加害者側が、信頼できる刑事事件に強い弁護士に示談交渉を依頼し、起訴前の早い段階で、弁護士が被害者側との示談交渉を始めることが重要となります。
~盗撮事件の示談交渉(起訴後)~
検察官が正式起訴した場合、その後に公開の裁判が行われて、実刑判決が出されて刑務所に入るか、あるいは執行猶予付きの判決が出るか、などが争われます。
起訴・不起訴の判断までの間に、被害者側との示談交渉を行わなかった事例であっても、起訴後に示談がまとまれば、加害者側に有利な事情として、刑事処罰を軽減する方向に影響することが期待されます。
~弁護士にご相談を~
このように、盗撮事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、まずは起訴前・起訴後を通じて被害者側との示談締結を目指していくことになります。
より良い事件解決に向けて、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動をご依頼されるか決めていただけます。
また、逮捕されていない事件やすでに釈放されている場合は、事務所での無料法律相談をご利用いただけます。
お早めのご連絡をお待ちしております。
捜査官からの暴力
捜査官からの暴力
今回は、勾留中の被疑者が捜査官から暴力をふるわれた場合の対処方法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、複数の盗撮事件の被疑者として、兵庫県内の警察署の留置場で勾留されています。
Aさんは黙秘権を行使しており、捜査官の問いについて何も答えていません。
捜査官は犯行を自白させようと考えていますが、Aさんが何も供述しないのでしびれを切らし、Aさんの顔面を殴打したり、膝を蹴るなどの暴行を行っています。
Aさんとしてはかなり恐怖を感じており、このまま捜査官の思うがままに供述調書をとられてしまうのではないかと危惧しています。
どうすれば良いのでしょうか。
(フィクションです)
~捜査官による暴力について~
取調室における捜査官の暴力は、被疑者に対して大変な苦痛、恐怖を与えます。
当然ながら許されるものではありません。
昔は、捜査官による暴力は日常茶飯事でしたが、最近では、取調室で暴力を振るわれた、という話を聞くことは少なくなりました。
それでも、取調室で暴力を振るわれるケースがゼロというわけではありません。
捜査官から暴力を受けた場合、どうすれば良いのでしょうか。
~まずは弁護士に相談する~
こんな時にAさんを守るのは弁護士です。
弁護士との接見(面会)のときに、捜査官による暴力を訴えましょう。
その上で弁護士はどのようなことができるか、例をあげてみたいと思います。
①担当刑事に抗議する
Aさんの取調べを担当している捜査官や、その上司である捜査責任者に対し抗議をします。
場合によっては、特別公務員暴行陵虐事件として、告訴を行うことも考えられます。
②怪我の様子を撮影する
弁護士に、怪我の様子を撮影してもらい、捜査官の暴力を訴える証拠としてもらうことが考えられます。
③裁判官に証拠保全を求める
刑事訴訟法第179条には、「被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる」と定められており、この規定を用いることも考えられます。
被疑者の怪我が治る前に裁判官に見てもらい、証拠として書面に残してもらうことが目的です。
④担当検察官に抗議をする
検察官は、警察官に指示を与えて捜査を進めています。
そこで担当検察官に抗議し、(ア)警察官に注意してもらうことが考えられます。
また、(イ)勾留の場所を警察の留置場から、拘置所に変えてもらうことが考えられます。
留置場が警察の施設であるのに対し、拘置所は、法務省が管轄する施設であることから、警察官による暴力から被疑者を遠ざけることを狙うというものです。
他にも、供述調書などが、暴力によって言わされたウソの自白が書かれている可能性があると判断されてしまい、裁判で使えなくなることがありますが(証拠能力が否定されると言います)、担当検察官としてもこれを危惧しています。
弁護人は上記の問題を訴えて、(ア)や(イ)の対応をしてもらうということが考えられるわけです。
⑤裁判で証拠能力を否定する
今回のケースの場合、起訴される場合であっても、Aさんが初犯であれば、簡易な手続で罰金刑にする略式手続による裁判を打診される可能性が高いと思われます。
略式手続は公開の裁判が開かれずにすぐに手続きが終わるので、一般的には被疑者にとってもメリットがあります。
しかし、違法な取調べがなされたことを理由に、供述調書などの証拠能力を否定することができなくなります。
略式手続きを利用するには、被疑者側の同意が必要なので、あえて略式手続に同意せず、正式な裁判で証拠能力を否定する主張をすることも弁護活動の1つとして考えられます。
さらに、証拠能力が否定され、裁判にしても有罪に出来ないと検察官に判断させることができれば、そもそも不起訴処分になる可能性もあります。
不起訴処分になれば、裁判にかけられず、前科も付かずに刑事手続きが終わります。
~お早めにご相談ください~
いずれにしても、取調室における暴力は絶対に許されるべきではありません。
捜査官から暴力を受けた場合は、一刻も早く弁護士と相談し、防止策を講じてもらう必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご本人やご家族が捜査官に暴力をふるわれてお困りの方は、ぜひご相談ください。
バスでの盗撮事件で逮捕
バスでの盗撮事件で逮捕
今回は、路線バスの車内で盗撮をしてしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、大阪府富田林市内を走行中の路線バスの車内で、目の前の女性Vのスカート内にスマートフォンを差し入れ、カメラ機能を用いて下着を盗撮してしまいました。
Aさんの不審な行動に気付いた乗客Wが運転手に報告したところ、AさんとVはバスを降ろされ、警察の到着を待つことになりました。
Aさんは警察が来るまでに画像データを削除しました。
大阪府富田林警察署の警察官が到着した後、バスを降ろされた場所で事情を聞かれた後、Aさんは盗撮の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)
~盗撮で成立する犯罪は?~
多くの場合、盗撮を行った場所の都道府県の制定する迷惑行為防止条例違反となります。
例えば大阪府の場合、①人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、②公共の場所又は公共の乗物において、③衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影することが禁止されています(大阪府迷惑行為防止条例第6条1項2号)。
他には例えば宮城県においても、①公共の場所又は公共の乗物において、②人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような、③人の下着等を撮影する行為が禁止されています(宮城県迷惑行為防止条例第3条の2第1項3号)。
法定刑は都道府県により多少差がありますが、大阪府と宮城県は共に、非常習者の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
前科があるなどの常習者の場合は2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
以上より、大阪府においても宮城県においても、同種の盗撮行為が禁止されていることがわかります。
~今後の刑事手続~
逮捕されると警察署に連れて行かれ、取調べを受けます。
その後Aさんは逮捕時から48時間以内に、検察へ送致されます。
検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、勾留せず釈放するかを決めます。
検察官が勾留請求を行い、裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されます。
やむを得ない事由があると認められれば、最長10日間勾留が延長されることになります。
今回のケースでAさんは、スマートフォンの画像データを削除しています。
しかし、データを削除したとしても、後に警察によって復元されてしまうこともあります。
盗撮した画像を削除する行為は、証拠隠滅行為にあたりますから、これが捜査機関や裁判官にバレると、印象が悪くなります。
こうなると、勾留・勾留延長決定がなされる可能性を高めてしまい、身体拘束期間が長引いてしまうおそれがあります。
盗撮事件が発覚してしまった場合は、画像データを消去するなどせず、そのままにしておくのが賢明かと思われます。
~早期の身柄解放活動を目指す~
盗撮は立派な犯罪行為ですから、上記の様に身体拘束を受ける可能性があります。
しかし、長期間留置場や拘置所で生活するのはそれ自体が大きな負担といえます。
また、その間は会社等は無断欠勤することになる可能性もあり、解雇等につながるおそれも高くなります。
早期に弁護士を依頼し、なるべく早く外に出られるよう活動してもらう必要があります。
~被害者と示談をする~
検察官は最終的にAさんを起訴するか、あるいは不起訴とするかを決めなければなりません。
それまでにVと示談ができれば、不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられないので、前科を付けずに事件を解決することができます。
また、身体拘束が続いている場合には、示談の成立により釈放される可能性もあります。
以上のように、示談を成立させることには多くのメリットがあるといえます。
ぜひ一度弁護士にご相談いただき、より良い解決を目指していただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が盗撮事件を起こしてしまいお困りの方は、ぜひご相談ください。
民泊での盗撮で取調べ
民泊での盗撮で取調べ
民泊経営者が小型カメラで利用者を盗撮したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
大阪府東大阪市内で民泊を経営するAさん。
客室や浴室などに小型カメラを設置し、利用者を盗撮していました。
ある日、利用者がカメラを発見し、警察に通報。
Aさんは大阪府枚岡警察署の警察官から取調べを受けました。
今後どうなってしまうのか、Aさんは不安になっています。
(事実をもとにしたフィクションです)
~迷惑行為防止条例違反になる?~
盗撮をした場合によく適用されることがある迷惑行為防止条例。
しかし大阪府の条例は、民泊での盗撮には適用できないでしょう。
現在、大阪府の迷惑行為防止条例では、
①公共の場所又は公共の乗物
②公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所
③教室、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が出入りし、又は利用するような場所又は乗物
での盗撮を処罰の対象としています。
しかし経営者の自宅等である民泊は、①公共の場所や②公衆浴場などには当たらないでしょう。
また、契約した特定少数の者しか利用しないため、③不特定又は多数の者が出入りしまたは利用するような場所にも当たらないでしょう。
したがって迷惑行為防止条例では処罰されないことになります。
~軽犯罪法や児童ポルノ禁止法では処罰されうる~
大阪府内の民泊での盗撮も、軽犯罪法での処罰は可能です。
軽犯罪法1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
しかし、罰則として定められている拘留は1日以上30日未満の身柄拘束、科料は1000円以上1万円未満の金銭徴収です。
迷惑行為防止条例違反の場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金(非常習者の場合)になるのと比べると、軽い処罰しかされません。
ただし、衣服の一部または全部を付けていない状態などを撮影された人が18歳未満の場合には、児童ポルノ禁止法違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金になる可能性があります。
条例違反の場合よりも重く処罰されることになります。
今回の事例のAさんの場合、盗撮したのが18歳未満の者がいない場合には軽犯罪法違反に、18歳未満の者がいる場合には軽犯罪法違反に加えて児童ポルノ禁止法違反で処罰される可能性があるということです。
~条例改正の予定~
このように、被害者に18歳未満の者がいない場合には、軽犯罪法での軽い処罰しかできません。
そこで迷惑行為防止条例を改正し、条例での処罰を可能とすることが検討されています。
プライベート空間の盗撮にも適用 迷惑防止条例改正を検討…大阪府警
読売新聞
公共の場所や公衆浴場に限らず、住居・浴場・更衣室・便所など人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所などをすでに処罰対象にしている都道府県もあり、民泊での盗撮も処罰できます。
いずれ大阪でもこのような改正がされると思われます。
~困ったら弁護士にご相談を~
あなたやご家族が盗撮などの犯罪をした場合、どのような刑事手続が待っているのか、取調べでは何と答えたらいいのか、示談などをして処罰を軽く出来ないかなど、わからないことが多いと思います。
お困りの際は、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。
千葉県が盗撮への罰則強化へ
千葉県が盗撮への罰則強化へ
千葉県内での盗撮に対する罰則が強化されるという報道がなされました。
【参考ニュース】
盗撮の禁止場所拡大 自画撮り要求規制も 千葉県が議会提案へ
Yahoo!ニュース(千葉日報提供)
今回は、千葉県の迷惑行為防止条例が予定通り改正された場合、盗撮についてどのような罰則強化がなされるのか、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~公共の場所での盗撮の罰則が強化~
1つ目の改正ポイントは、駅やお店など、不特定かつ多数の人が利用する公共の場所で下着などの盗撮をした場合の罰則が強化されます。
現在は、盗撮の非常習者の場合が6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に、盗撮の前科があるなどの常習者の場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。
これを、盗撮の非常習者の場合が1年以下の懲役または100万円以下の罰金に、常習者の場合は2年以下の懲役または100万円以下の罰金に変える予定となっています。
常習者の罰金以外の部分が2倍になるということです。
~罰則の対象となる盗撮場所が拡大~
2つ目の改正ポイントは、千葉県の迷惑行為防止条例の規制対象となる盗撮場所が拡大されます。
現在も上述のように、不特定または多数の人が利用する公共の場所での盗撮は条例による処罰の対象となっています。
しかし、学校や職場、住居内やその中のトイレ内など、特定または少数の者が利用する場所での下着などを盗撮した場合については条例の規制対象とはなっておらず、軽犯罪法で処罰するしかありませんでした。
ところが、軽犯罪法に定められた罰則は拘留または科料です。
拘留とは、1日以上30日未満、刑事施設に収容する刑罰です。
科料とは、1000円以上1万円未満の金額を徴収する刑罰です。
どちらも公共の場所での盗撮と比べると、軽い処罰しかできません。
そこで、このような場所での盗撮も処罰対象としている条例も多くあり、今回、千葉県でも処罰対象に入れる改正がなされることになります。
盗撮する都道府県によって罰則が異なるというのは不自然に感じることでしょう。
そこで法律で全国一律で規制すればよい気がします。
しかし現状は、軽犯罪法はあるものの、あくまで各都道府県の条例による規制がメインとなっている状態のため、このような都道府県による差が生まれている状態です。
~逮捕の可能性が上がるかも~
盗撮は、犯罪の中では比較的軽いものであるため、警察に発覚しても逮捕はされないこともあります(在宅事件)。
自宅から警察署等に出向いて取調べを受けたり、裁判所に行って裁判を受けるという流れになります。
しかし罰則が強化されると、逮捕される可能性が上がるかもしれません。
逮捕されて身体拘束されている期間が長くなればなるほど、出勤できずに勤め先を解雇される可能性が高まるなど、影響が大きくなっていきます。
弁護士としては、まずは早期釈放を目指します。
そして出来るだけ軽い処分や判決を得るために、被害者に謝罪・賠償して示談するなどの弁護活動をすることになります。
今後の人生に大きく関わってくることですし、わからないことも多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご依頼を、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。