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盗撮と動画配布による児童ポルノ犯罪で逮捕
盗撮と動画配布による児童ポルノ犯罪で逮捕
盗撮した写真や動画等をネット等を通じて配布することによって生じる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
<刑事事件例>
東京都新宿区在住のアルバイトAさんは、市内の民家敷地内に侵入し、入浴中の女性を携帯電話のカメラ機能で写真や動画を撮影し、その画像や動画をインターネット上で配布または販売していたとして、警視庁中野警察署によって、住居侵入罪および児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノの製造・提供)の疑いで逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは被疑事実を認めています。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、平成30年11月27日、民家敷地に侵入して入浴中の少女を盗撮するなど行い、また別の少女の裸などが映った動画をインターネットを通じて電子マネーで販売したとして、島根県警江津警察署が、住居侵入罪および児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノの製造・提供)の疑いで愛知県の男性を逮捕した事案をモデルにしています。
上記被疑者が、インターネット上で盗撮動画を販売しているのが発覚し、島根県警が販売者の特定を開始し、刑事事件化に至った模様です。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童買春・児童ポルノ禁止法)によれば、現物であるとインターネット上での電磁的記録であるとを問わず、児童ポルノを提供することを禁じ、これに対して3年以下の懲役または300万円以下の罰金を科しています。
加えて、現物であるとインターネット上での電磁的記録であるとを問わず、不特定もしくは多数の者に児童ポルノを提供した場合、または公然と陳列した場合は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金が科されます。
児童ポルノは配布・販売に関する過去の刑事事件例では、児童ポルノをインターネット上に公開して不特定多数が閲覧できる状態にした事案で、懲役1年6月、執行猶予3年が言い渡され、児童ポルノをおさめた記録媒体をネットオークションに出品して販売した事案では、懲役2年と罰金30万円、執行猶予4年が言い渡されており、起訴されて公開の刑事裁判となる可能性は高いものの、適切な刑事弁護により執行猶予を得ることは十分期待できると言えるでしょう。
盗撮と動画配布による児童ポルノ犯罪で刑事事件化または逮捕されお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
駅で盗撮をして線路を逃走
駅で盗撮をして線路を逃走
東京都在住の会社員Aさんは、会社通勤途中の東武鉄道梅島駅のホームにて、近くに立っていた女子高校生Vさんのスカートの中にスマートフォンを差し込み、盗撮を試みました。
近くにいた別の女性がAさんの盗撮を指摘して鉄道警察を呼ぼうとしたため、逮捕されることを恐れたAさんは、線路へ降りて線路上を逃走しました。
その後、警視庁西新井警察署は、監視カメラと目撃者の情報からAさんの身元を解明し、Aさんは東京都迷惑行為防止条例違反(痴漢)および威力業務妨害罪の疑いで逮捕しました。
(フィクションです。)
【駅での性犯罪後、線路へ逃走】
上記刑事事件例は、平成31年10月9日、JR新宿駅の電車内で会社員の女性を盗撮したとして駅員から事情を聴かれていた男性が、埼京線のホームから線路上に立ち入り、複数の線路を横断して敷地外に逃走したとして、東京都迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
また、直近では、令和元年8月7日午前7時半頃、埼玉県さいたま市南区のJR南浦和駅で、線路内に何者かが立ち入りそのまま逃走したとして、非常ボタンが押されたところ、その原因としては、埼玉県在住の30歳代女性が駆けつけた警察官に対し、「線路に逃げた人に体を触られた」と痴漢被害を訴えたため、埼玉県警が埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで詳しい状況を調べています。
このように、駅や電車内での痴漢や盗撮等の性犯罪後、逮捕を免れるために線路上を逃走する背景には、一部では、電車内での性犯罪の発覚を免れる手引きやマニュアルを記載する闇サイト的存在があり、あえて線路上を逃走することで、電車の運行システムを混乱させたり、安全確認の手間を増やすことによって、犯人の特定を遅らせることができるからだ、という説もあるようです。
しかし、性犯罪後に線路上を逃走した場合、威力業務妨害罪や鉄道営業法違反、新幹線特例法違反の罪が成立する場合があり、併合罪として重く罰せられる可能性が高いでしょう。
それだけでなく、故意の線路立入により鉄道事業者に損害を与えた場合には、鉄道会社から高額の民事上の損害賠償請求を受けることもあり得るでしょう。
このような場合、盗撮等の性犯罪の被害者に対する示談以外に、鉄道会社に対する対応が必要な場合も考えられ、様々な刑事事件の示談に経験豊富な弁護士に依頼することが望ましいでしょう。
駅や電車内で盗撮や痴漢等の性犯罪をして、その後線路を逃走して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談、または初回接見サービスをご検討ください。
盗撮目的で女子トイレに侵入して逮捕
盗撮目的で女子トイレに侵入して逮捕
神奈川県在住の大学生Aさん(21歳)は、横浜市中区にあるバイト先のコンビニ店の女子トイレに盗撮目的でカメラを設置しました。
ある日、Aさんがカメラの回収のために、勤務時間外の日に客を装ってコンビニ店に入り女子トイレに侵入しようとしたところ、偶然コンビニ店に入ってきた男女二人に見つかり、警察に通報されてしまいました。
駆けつけた神奈川県警加賀町警察署の警察官によって、Aさんは建造物侵入罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんの両親は、Aさんが今後の刑事手続でどのような責任を負うことになるのか不安となり、刑事事件を専門とする弁護士に相談することにしました。
(※フィクションです)
上記刑事事件例は、令和元年9月29日、福岡市でコンビニ店の女子トイレに侵入したとして、福岡県警東警察署の巡査部長が建造物侵入罪の疑で逮捕された事案をモデルにしています。
警察の発表によると、被疑者は同日午前9時40分頃、福岡市中央区のコンビニ店の女子トイレに正当な理由がないのに侵入した疑いがあり、被疑者は事実を認めている模様です。
同店では7月頃から、女子トイレの便器を丸めたトイレットペーパーやその芯で詰まらせられることが相次ぎ、そのたびに被疑者に特徴が似た人物が来店していた模様で、警戒していた店側はこの日、被疑者が来店したため警察に通報し、女子トイレに入ったことを確認して身柄確保に至ったとのことです。
刑事事件の一般論として、男性被疑者が女性トイレに侵入する背後には、女性の裸や下着等を盗撮する目的であることが多いです。
ところが、東京都内で行われた痴漢行為を処罰する「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(東京都迷惑行為防止条例)」によれば、「何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。」としつつ、「次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。」と示しています。
そして、その場所とは、「 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」や「公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物」を列挙しています。
この点、他の都道府県の迷惑行為防止条例では、痴漢行為や盗撮行為が行われた場所が「公共の場所又は公共の乗物」内であることを犯罪構成要件としているため、職員のみが使用できる休憩室や職員用トイレなど、不特定または多数の者が利用する場所という要件を満たすことができず、迷惑行為防止条例違反の罪が成立しないことが考えられます。
つまり、一般住居のトイレ・浴室・更衣室や、学校・会社等人の出入りが限定された施設におけるトイレ・シャワー室・更衣室、カラオケボックス等の個室、タクシー内における盗撮行為は迷惑行為防止条例の処罰対象とならないため、上記刑事事件例のように、盗撮目的を前提として、他人の住居や建造物に無断で侵入したという点に着目し、建造物侵入罪などによる一般刑法によって処罰せざるを得ないとされているのが実情です。
各都道府県に共通する上記迷惑行為防止条例で処罰されない部分については、以前から問題視されており、東京都の「場所」の要件を緩和(処罰範囲を拡大)の改正の影響もあり、今後、他の都道府県が東京都の改正に追随する可能性も高いと思われます。
盗撮に関連する建造物侵入罪や迷惑行為防止条例違反の刑事事件では、被害者の方や建造物所有者に対する謝罪と被害弁償などの成果によって、不起訴処分を獲得できる見込みが高いため、事件化した場合には早い段階で刑事事件に強い弁護士に事件を依頼することをお勧め致します。
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女子スカートの盗撮で迷惑行為防止条例違反で逮捕
女子スカートの盗撮で迷惑行為防止条例違反で逮捕
女性のスカート内などを盗撮することにより生ずる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
<事件例>
埼玉県久喜市在住の大学生Aさんは、久喜市内の駅校舎の階段にて市内に住む女子高校生Vさんのスカート内を盗撮しようとしたところを、警戒にあたっていた鉄道警察員によって埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。
当該駅では以前から「盗撮の疑わしい行為をしている人がいる」と目撃情報が寄せられており、付近の警察官の巡回を強化していたところでした。
Aさんが逮捕されたとの連絡を受けたAさんの妻Bさんは、Aさんが大学に通えず単位に支障が出ることがないよう、1日でも早くAさんが釈放されるよう、刑事事件を専門とする弁護士に事件を依頼するつもりです。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、平成31年4月11日、神奈川県横浜市の反町駅の上りエスカレーターで16歳の女子高校生のスカート内を盗撮したとして、神奈川県職員の男が神奈川県迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された事案をモデルにしています。
以前から反町駅では「盗撮している人がいる」などの目撃情報が寄せられていて、鉄道警察隊が警戒していたところ、当該被疑者がスカート内にスマートフォンを入れるところを目撃し、現行犯逮捕に至ったとされています。
警察の調べに対し、被疑者は逮捕事実を認めた上で、「この1、2年の間に100件以上やっています」と話しており、警察は余罪の追及に力を入れています。
性犯罪の中でも、盗撮や痴漢といった各都道府県の迷惑行為防止条例違反(名称が異なる場合があります)の犯罪類型は、法定刑は比較的軽いものの、実際に被害者の近くに接近して行動を起こす態様から、現行犯逮捕されて刑事事件化するケースが多いです。
本来、刑事事件の法律相談では、犯罪を犯したと疑われている方(被疑者)が、直接刑事事件弁護士と向かい合い、実際に起こった事実と、その事実に対して被疑者の方がどのように認識しているか、またはどこまでの事実を記憶しているか等を客観的にお聞きした上で、捜査機関に疑われている事実(被疑事実)との食い違いを分析し、今後どのような刑事手続きとなり、どのような刑事処分が予想されるのかを検討することが必要となります。
しかし、被疑者の方が逮捕されてしまった場合、被疑者本人が不在であるにも関わらず、事情をほとんど知らない家族等の方が刑事事件弁護士に相談しても、内容の薄い一般論的な受け答えしかすることができません。
そのため、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、被疑者の方が現在勾留されている場所(警察署、検察庁)への接見を行い、被疑者に対して事実の確認を行うと同時に事件の見通しや捜査対応等を指導し、その接見の内容を、捜査機関への差し支えにならない範囲で依頼者の方に報告するサービス(初回接見サービス)を行っております。
埼玉県迷惑行為防止条例第4条は、公共の場所・乗り物における、痴漢行為、盗撮行為など、人を著しく羞恥させたり不安を覚えさせる卑わいな行為を禁じており、これに違反した場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
盗撮行為で逮捕されたしまった場合に、弊所で初回接見サービスをご利用いただいた場合、被疑者に対して有効な捜査対応指導を行い、その後受任となった場合、捜査機関に対する意見書提出等の働きかけによって早期に釈放を実現する可能性があがり、実際に逮捕後の勾留を阻止した成功事例が多数ございます。
社会人にとって、逮捕・勾留によって社会から隔離されることは、大きな損失に繋がりますので、刑事事件弁護士に対する早期の接見依頼を強くお勧め致します。
埼玉県久喜市で女子スカートの盗撮により迷惑行為防止条例違反で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
メモリーカードを落として盗撮発覚
職場の更衣室の盗撮が発覚した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
千葉県八千代市にある会社に勤務する男性Aさん。
職場の女子更衣室に小型の隠しカメラを設置し、同僚の着替えの様子を盗撮するという行為を繰り返していました。
ある日Aさんは、盗撮動画の入ったメモリーカードを社内で紛失。
別の社員が発見し、誰のものかわからなかったので中身を確認したことから、盗撮が発覚しました。
千葉県八千代警察署に被害届が出され、捜査がされた結果、Aさんの犯行と発覚。
Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~迷惑防止条例違反に~
職場で盗撮を行い、そのデータが入ったメモリーカードを落として発覚するというのは間抜けな感じがするかもしれませんが、実際に似たような事件も過去にありました。
この事件の被疑者は警察官で、ホテルでデリヘルの女性を盗撮し、警察署内でメモリーカードを紛失して、落とし物として拾われて発覚したというものでした。
このような盗撮をした場合、まずは各都道府県が制定する迷惑防止条例違反に問われることが考えられます。
千葉県の条例を見てみましょう。
※例 千葉県・公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第3条の2
何人も、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次の各号に掲げるものをしてはならない。
第1号
次のいずれかに掲げる場所又は乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器(衣服を透かした状態を撮影することができるものを含む。以下「写真機等」という。)を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置すること。
イ 浴場、更衣室、便所その他の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所及び住居
ロ 公共の場所(イの場所を除く。)又は公共の乗物
ハ 学校、事務所その他の不特定若しくは多数の者が利用し、若しくは出入りすることができる場所(イ及びロの場所を除く。)又はタクシーその他の不特定若しくは多数の者が利用することができる乗物(ロの乗物を除く。)
上記の「イ」に該当することになります。
罰則は、盗撮の非常習者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に、盗撮の前科があるなど常習者として扱われると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となってしまいます。
~軽犯罪法違反に問われる場合も~
自治体によっては上記の「イ」に当たる条文がなく、「ロ」の公共の場所などでの盗撮しか規制していない場合もあります。
そうなると、会社の更衣室は特定少数の者しか使わないことも多く、公共の場所ではないとして処罰できない可能性が高くなります。
この場合には、軽犯罪法によって処罰されることが予想されます。
軽犯罪法1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
第23号
正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
拘留とは、1日以上30日未満の身体拘束がされる刑罰です。
科料は1000円以上1万円未満の金銭が徴収される刑罰です。
迷惑防止条例違反の場合よりもだいぶ軽い罰則となっています。
規制が緩くなっている都道府県でも順次、改正が進められています。
しかし同じ行為をしても罰則が異なるのは不公平なので、法律で全国一律の規制をすることも求められています。
~盗撮が発覚したら~
盗撮が発覚した場合、今後逮捕されるのか、逮捕された場合はいつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのかなど、不安が大きいと思います。
また、被害者の方々に謝罪・賠償して示談を結ぶことができれば処罰を軽くできる可能性がありますが、どうやって示談交渉を行えばよいのかなど、わからない点が多いと思います。
事件内容に応じてアドバイスいたしますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
公園で女児を盗撮して逮捕
公園で女児を盗撮して逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
埼玉県入間市に住む小学校教諭のAさん。
同市内の公園に行き、遊んでいた小学生や幼稚園児の女の子の下着やお尻を盗撮しました。
子供の保護者が盗撮するAさんに気が付き、警察に通報。
埼玉県狭山警察署の警察官が現場を訪れ、Aさんに対し、
「女の子を盗撮しているのではないかという通報がありました。カメラを見せていただけないでしょうか」と尋ねました。
もう逃げられないと観念したAさん。
警察官にカメラを見せたところ、盗撮動画が残っていたことから、その場で現行犯逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~迷惑防止条例違反~
小学校の教師が公園で女児に盗撮をした今回の事例。
場所こそ違いますが、実際にほとんど同じような事件が発生しています。
明るみに出れば、実名報道されたり懲戒免職処分になることも予想されます。
そして犯罪者として処罰されることも予想されます。
このような盗撮をした場合、まずは各都道府県が制定する迷惑防止条例違反に問われることが考えられるでしょう。
埼玉県の条例を見てみます。
※例として埼玉県迷惑防止条例
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第2条
4 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞しゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。
Aさんは公園という「公共の場所」において、「衣服で隠されている下着等」を撮影しているので、迷惑防止条例違反となるわけです。
罰則は、盗撮の非常習者の場合は6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
盗撮の前科があるなど、常習者として扱われると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となってしまいます。
~児童ポルノ禁止法違反の可能性も~
Aさんが盗撮したのは18歳未満の児童なので、撮影した内容によっては児童ポルノ禁止法違反にも問われる可能性があります。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第2条3項
この法律において「児童ポルノ」とは、…(中略)…、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を…(中略)…描写したものをいう。
1号・2号 省略
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
第7条5項
前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様(※3年以下の懲役または300万円以下の罰金)とする。
児童ポルノを作り出すこの犯罪は、「児童ポルノ製造」と呼ばれています。
たとえば女児のトイレ中の様子を撮影したような場合には、2条3項3号に該当する児童の姿態をひそかに写真等に描写して児童ポルノを製造したものとして、この罪に問われる可能性があるわけです。
罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金ですから、18歳以上の者を盗撮して条例違反のみに問われた場合よりも重く罰せられる可能性があります。
~示談で判決・処分が軽くなる可能性も~
一般に、犯罪の被害者に対し謝罪・賠償をして示談を結ぶと、判決が軽くなったり、不起訴処分になったりする可能性を上げることができます。
不起訴処分とは「今回は大目に見る」ということで、刑事裁判にかけられず、前科もつかずに刑事手続きが終了となる処分をいいます。
しかし盗撮事件では、加害者側が被害者側の連絡先を知らないことも多く、捜査機関を通じて連絡先を教えてもらう必要が出てきます。
ところが性犯罪の被害者側は、加害者側に連絡先を教えることに抵抗があります。
当然、教えてくれないこともありますし、教えてくれるとしても加害者の弁護士にだけ連絡先を教え、その弁護士は加害者自身には連絡先を伝えず、弁護士が加害者の代わりに示談交渉をするという形をとる必要があることも多いです。
そして今回のような事例では被害を受けた児童の親と交渉して示談交渉を進めることになります。
親は、自分の子供が盗撮被害に遭っているわけですから、スムーズに交渉が進むとは限りません。
お金を用意できても、必ずしも簡単に示談ができるとは言い切れないわけです。
~弁護士にご相談を~
あなたやご家族が盗撮などの犯罪をしてしまいお困りの際はぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
上述のように、弁護士を入れることによって示談ができる可能性を上げることができたり、今後の刑事手続きや処分・判決の見通しなどのアドバイスを受けることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
神奈川県小田原市で盗撮事件
神奈川県小田原市の盗撮事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件】
Aさんは神奈川県小田原市の国営公園内にあるプールで,スマートフォンを使って水着姿の複数名の女性を撮影しました。
Aさんの不審な動きに気付いた監視員が声をかけ,Aさんは逃走を試みましたがすぐに取り押さえられました。
間もなく通報を受けた神奈川県小田原警察署の警察官に引き渡され,Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)
【盗撮行為と犯罪】
盗撮とは,辞書的な意味でいえば被写体になる人物に気付かれないよう,こっそりカメラ等で撮影することをいいますが,これらの行為がすべて犯罪として処罰されるわけではありません。
神奈川県においては,盗撮行為は県が定める迷惑行為防止条例によって取締りの対象となっています。
迷惑行為防止条例は盗撮の他にも痴漢などを処罰する規定を含む条例です。
神奈川県迷惑行為防止条例 第3条第1項
何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
(2) 人の下着若しくは身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)を見、又は人の下着等を見、若しくはその映像を記録する目的で写真機その他これに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置し、若しくは人に向けること。
第2項
何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。
つまり,県が処罰対象としている盗撮とは,人を著しく羞恥させ,または人に不安を覚えさせるような方法で行われた撮影で,次の①または②の場合に当たるものをいいます。
①通常衣服で隠されている他人の身体や下着を撮影すること。
②便所や浴場など公衆が通常衣服の一部または全部を着けない状態でいるような場所で,衣服の一部または全部を着けないでいる状態にある人の姿態を撮影すること。
また,神奈川県では①や②の目的でカメラを向けるだけで犯罪となりますので注意してください。
神奈川県では,これらの盗撮行為によって迷惑行為防止条例違反が認められた場合の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
さらに,常習的に盗撮を行っていたと認められてしまった場合の法定刑は2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
それでは,①や②に当たらない場合は許可なく他人を撮影しても何ら犯罪とならないのでしょうか。
【衣服の上からの盗撮】
下着や着衣の下に隠された身体を撮影する目的があれば,撮影に失敗して衣服の上からの写真しか撮れなかったとしても盗撮として迷惑行為防止条例違反が成立することは説明しました。
では下着や着衣の下に隠された身体を撮影する目的がまったくなく,現に衣服の上から撮影したにすぎない場合は処罰されないのかといえば,必ずしもそうではありません。
神奈川県迷惑防止条例第3条第1項第3号によって,「何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で」「卑わいな言動」をしてはならないと規定されています。
何が「卑わいな言動」にあたるのか,必ずしも明らかでなくその場の警察官などの判断によるところが大きいのですが,撮影場所や時間,撮影方法などを総合的に考慮した結果,着衣の上からの撮影であっても「卑わいな言動」にあたるとして処罰される可能性があります。
今回のケースでは,Aさんは公営のプールで水着姿の女性を撮影しています。
事件の概要からは明らかではありませんが,撮影が長時間に及んでいたり,スマホを隠し持つような形で撮影していたりといった周囲に不安感を与えるような態様で撮影を行っていた場合は特に「卑わいな言動」にあたるとされる可能性は高くなると考えられます。
【盗撮事件の弁護活動】
もし盗撮による迷惑行為防止条例違反の被疑者となってしまったら,お早めに弁護士に相談することをおすすめします。
謝罪を聞き入れてもらったり示談を成立させることによって,その示談内容にもよりますがAさんのように逮捕されていたり勾留されている場合は早期の身体拘束からの解放につながる可能性を高めることができます。
同様に示談成立の場合は不起訴処分や執行猶予を得られることも多いです。
また,盗撮の目的がなかったことを示すことも当事者だけでは難しい場合が多いです。
否認事件であれば特に弁護士の力が必要になります。
盗撮行為で迷惑行為防止条例違反の被疑者となってしまった方,ご家族やご友人が逮捕されてお困りの方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
盗撮で逮捕されたが勾留前に釈放
盗撮で逮捕されたが勾留前に釈放
盗撮で勾留前の釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
東京都福生市に住むAさんは、同市内の駅構内において、小型カメラを忍び込ませた靴の先端部分を、前方で電車を待っていた学生Vさんのスカートの下に差し入れました。
この一部始終を見ていたWさんに「盗撮していませんか?」などと声をかけられ、そのまま駅事務所に連れて行かれました。
警視庁福生警察署の警察官も到着し、映像を見たところ、Vさんのパンツが写っていたことから、逮捕されてしまいました。
Aさんは接見に来た弁護士に勾留前に釈放されたいと伝えました。
(フィクションです。)
~東京都での盗撮規制~
東京都では迷惑防止条例で盗撮行為を規制しています。
条文を見てみましょう。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第5条
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 省略
2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
Aさんは、赤く色付けした部分に該当することになります。
つまり、駅構内という「公共の場所」において、Vさんのパンツという「人の通常衣服で隠されている下着」を、小型カメラという「写真機…を用いて撮影」してしまったわけです。
罰則は、盗撮の非常習者が1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
盗撮の前科があるなど常習者として扱われると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
~勾留前に釈放されることがある~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、まずは警察官の取調べ、続いて検察官の取調べを受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
逆に言うと、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されれば、検察官が勾留請求をせず、あるいは裁判官が勾留の許可をしないで、釈放されることがあります。
釈放されるためには、家族の監督が見込めること、性犯罪の予防の治療を行っている病院の治療を受ける意志があること、被害者に謝罪・賠償して示談を結ぶつもりがあることなどを示していくことが重要です。
特に示談を進めるということは、基本的に罪を認めていることが前提ですので、罪を免れようとして逃亡や証拠隠滅をするおそれはないと判断され、早期釈放に繋がりやすくなります。
釈放された場合もただちに無罪放免というわけではなく、自宅から出向いて取調べや裁判を受ける流れになります。
しかし示談が成立すれば、被疑者に有利な情状として考慮されます。
今回は大目に見るという意味で刑事裁判にかけずに刑事手続きを終わらせる不起訴処分となったり、裁判になっても判決が軽くなる可能性を上げることができます。
特に被害者様が、「裁判などに関わるのは面倒なので、示談をして事件を早く終わらせたい」と考えておられる場合には、しっかり謝罪・賠償する代わりに「被疑者を処罰は望まない」などという文言を示談書に入れてもらえることもあります(宥恕(ユウジョ)条項と言います)。
宥恕条項を入れることができれば、不起訴処分などの可能性はさらに上がることとなるでしょう。
~弁護士にご相談を~
とはいえ、どのように示談を勧めたらよいか、検察官や裁判官にどのようにして早期釈放をお願いしたらよいかなど、わからないことだらけだと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずは0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
トイレ盗撮で逮捕されたら
トイレ盗撮で逮捕されたら
トイレ内の盗撮で逮捕されるとどうなるのか、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
Aさんは東京都江東区内のコンビニや居酒屋などのトイレに小型カメラを設置し、盗撮するという行為を繰り返していました。
ある日、トイレを利用した女性客がカメラを発見。
知らされた店員が警察に通報し、捜査が開始されました。
店の防犯カメラの映像や、小型カメラに保存されたカメラ設置時の映像などからAさんの犯行と発覚。
Aさんは警視庁深川警察署の警察官に逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~迷惑防止条例違反に問われる~
小型カメラやスマホでの盗撮は、残念ながらよく行われている犯罪の1つです。
スカート内を盗撮するパターンも多いですが、トイレや更衣室に隠しカメラを設置しての盗撮もよく見受けられるパターンです。
特に、男女兼用のトイレは男性が入ってカメラを設置しやすく、数が多いように思います。
このような盗撮は、各都道府県が定めている迷惑防止条例違反、あるいは条例に規定がない場合には軽犯罪法違反になります。
東京都の条例を見てみましょう。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第5条
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
第1項 省略
第2項 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
Aさんの場合には、5条2項イに該当することになります。
この条文によると、規定された場所で下着や裸を「撮影」した場合はもちろん、盗撮するためにカメラを「設置」した時点で罰則の対象となっているので、盗撮に成功しなくても処罰されうることになります。
罰則は、カメラを設置しただけの場合は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、盗撮に成功した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
盗撮の前科があるなど常習者として扱われると2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
一方、都道府県によっては上記5条2項イのようなトイレ等の盗撮を処罰する条文がなく、同項ウのような公共の場所(駅や店など)での盗撮しか定められていない場合もあります。
この場合は軽犯罪法違反に問われることになるでしょう。
軽犯罪法1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
第23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
拘留とは1日以上30日未満の身体拘束です(懲役の短いバージョンのようなものです)。
科料とは1000円以上1万円未満の金銭徴収です(金額の安い罰金のようなものです)。
~逮捕後の手続は?~
逮捕された場合の刑事手続きについて、詳しくはこちらをご覧ください。
盗撮事件・のぞき事件の流れ
早期釈放や軽い処分・判決を目指すためには、被害者の方に謝罪・賠償して示談を結ぶことが重要となります。
何ら被害者への対応をしないよりも、印象が良くなるわけです。
ただ、トイレ盗撮の場合、加害者は被害者の連絡先を知らないことがほとんどです。
被害者が許可すれば警察や検察を通じて教えてくれる可能性はありますが、通常、性犯罪の被害者が加害者に連絡先を教えることは抵抗があります。
そこで、弁護士が代わりに示談交渉をするという形が採られることがよくあります。
被害者の連絡先を加害者に教えないという約束で、弁護士が被害者の連絡先を教えてもらい、示談交渉を進めていくのです。
このように、より良い事件解決に向けて全力でサポートしてまいりますので、あなたやご家族が何らかの犯罪で逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。
スーパー銭湯の女湯に隠しカメラをしかけ逮捕
スーパー銭湯の女湯に隠しカメラをしかけ逮捕
今回は、スーパー銭湯の女湯を隠しカメラで盗撮してしまった場合における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは深夜、福岡県内のスーパー銭湯に忍び込み、女湯の浴室に隠しカメラを設置しました。
翌日にスーパー銭湯が営業を始めた頃、女性客から従業員に対し「カメラが設置されている」とのクレームが入ったので、従業員は福岡県警に通報しました。
スーパー銭湯の監視カメラに写っていた人物や、その人物が乗ってきた車のナンバーを確認したところ、Aさんが被疑者として浮上しました。
後日、Aさんは福岡県迷惑行為防止条例違反及び建造物侵入の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)
~Aさんに成立する犯罪は?~
Aさんには福岡県迷惑行為防止条例違反及び建造物侵入罪が成立する可能性が高いと思われます。
それぞれ解説していきます。
【福岡県迷惑行為防止条例違反】
スーパー銭湯の女湯に隠しカメラを設置、ないしは利用者を撮影した点について、福岡県迷惑行為防止条例違反となる可能性が高いと思われます。
福岡県迷惑行為防止条例第6条3項1号及び2号は、
何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法(人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法)で、
①公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること、及び、②前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること
を禁止しています。
Aさんが侵入したスーパー銭湯の女湯は明らかに上記「公衆浴場」に該当します。
このような場所で、利用者(浴場の利用者は衣服の全部又は一部を着けていないでしょう)を撮影すれば、上記に違反することになります。
さらに②によれば、上記のような場所で、利用者を撮影する目的でカメラをしかける行為自体も禁止されています。
したがって仮に利用者がカメラに写っていなかったとしても、やはり福岡県迷惑行為防止条例違反ということになります。
上記行為を行い、有罪が確定すると、盗撮の非常習者は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に、前科があるなど常習者と扱われれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
【建造物侵入罪】
この犯罪は、正当な理由がないのに、人の看守(管理)する建造物に侵入する犯罪です(刑法第130条前段)。
スーパー銭湯は「人の看守する建造物」に該当するでしょう。
「侵入」とは、管理権者の意思に反する立入りを意味します。
スーパー銭湯の管理者は、女湯を盗撮する目的で、深夜にスーパー銭湯の建物に立ち入ることを容認していないので、「侵入」に該当するでしょう。
仮に客として料金を払って立ち入った場合でも、盗撮用のカメラを設置する目的で立ち入ることは管理者としては容認していないと言えるので、やはり「侵入」に該当するでしょう。
したがってAさんの行為には建造物侵入罪が成立する可能性が極めて高いと思われます。
建造物侵入罪で有罪が確定すると、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます。
~Aさんはどうするべきか?~
逮捕されると、その後の勾留と呼ばれる期間も合わせて、裁判が始まる前の捜査段階だけでも最長23日間もの身体拘束を受けます。
今回の事件は、スーパー銭湯に侵入しているという点で、街中での盗撮事件よりも悪質といえますし、また、余罪の存在も疑われることになるでしょう。
したがって、適切な弁護活動を行わなければ、法律上可能な最長の期間の身体拘束がされる可能性が十分あります。
また、被害者(隠しカメラに写ってしまった人や、スーパー銭湯の管理者)とも示談を行い、生じさせた損害を賠償する必要もあります。
しかし、勾留を阻止して早期釈放を目指したり、示談をするためにはどうしたらよいか、わからないことだらけだと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が女湯を盗撮した疑いで逮捕されてしまいお困りの方は、ぜひご相談ください。