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福岡県筑後市の迷惑防止条例違反事件
福岡県筑後市の迷惑防止条例違反事件
【事件】
Aさんは休日に福岡県筑後市内の大型ショッピングモールに出掛けました。
Aさんはかねてよりこのショッピングモールに入っているテナントの女性従業員を撮影し,自宅で見て楽しんでいました。
この日も自分一人で見る目的でVさん(当時21歳)の背後に近寄り携帯のカメラで撮影に及びました。
シャッター音がなってしまい,この音に気付いたVさんはAさんを呼び止め,店の事務所に連れて行き警察に通報しました。
Aさんは駆けつけた福岡県筑後警察署の警察官から迷惑防止条例違反の容疑で事情を聞かれることになりました。
(フィクションです)
【盗撮行為と犯罪】
盗撮とは,辞書的な意味でいえば被写体になる人物に気付かれないようこっそりカメラ等で撮影することをいいますが,これらの行為がすべて犯罪として処罰されるわけではありません。
福岡県においては,盗撮行為は県が定める迷惑行為防止条例によって取締りの対象となっています。
迷惑行為防止条例は盗撮の他にも痴漢などを処罰する規定を含む条例です。
少し長くなりますが,福岡県迷惑行為防止条例の盗撮に関する条文をご紹介します。
福岡県迷惑行為防止条例第6条第2項
「何人も,公共の場所,公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において,正当な理由がないのに,前項に規定する方法(人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法)で次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し,又は写真機,ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を用いて撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し,又は他人の身体に向けること 」
同条第3項
「何人も,正当な理由がないのに,第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 公衆便所,公衆浴場,公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し,又は写真機等を用いて撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し,又は他人の身体に向けること」
つまり,県が処罰対象としている盗撮とは,人を著しく羞恥させ,または人に不安を覚えさせるような方法で行われた撮影で,次の①または②の場合に当たるものをいいます。
①通常衣服で隠されている他人の身体や下着を撮影すること。
②公衆便所や公衆浴場など公衆が通常衣服の一部または全部を着けない状態でいるような場所で,衣服の一部または全部を着けないでいる状態にある人の姿態を撮影すること。
また,①や②の目的でカメラを向けるだけで犯罪となりますので注意してください。
福岡県では,これらの盗撮行為によって迷惑行為防止条例違反が認められた場合の法定刑は6月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています(福岡県迷惑防止条例第11条第2項)。
さらに,常習的に盗撮を行っていたと認められてしまった場合の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
もしAさんが女性従業員の下着や着衣の下に隠れた身体を撮影する目的をもっていれば迷惑行為防止条例違反となってしまう可能性が高いです。
それでは,①や②に当たらない場合は許可なく他人を撮影しても何ら犯罪とならないのでしょうか。
【衣服の上からの盗撮】
下着や着衣の下に隠された身体を撮影する目的があれば,撮影に失敗して衣服の上からの写真しか撮れなかったとしても盗撮として迷惑行為防止条例違反が成立することは説明しました。
では下着や着衣の下に隠された身体を撮影する目的がまったくなく,現に衣服の上から撮影したにすぎない場合は処罰されないのかといえば,必ずしもそうではありません。
福岡県迷惑防止条例第6条第1項第2号によって,「何人も,公共の場所又は公共の乗物において,正当な理由がないのに,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で」「卑わいな言動」をしてはならないと規定されています。
何が「卑わいな言動」にあたるのか,必ずしも明らかでなくその場の警察官などの判断によるところが大きいのですが,撮影場所や時間,撮影方法などを総合的に考慮した結果,着衣の上からの撮影であっても「卑わいな言動」にあたるとして処罰される可能性があります。
もし盗撮による迷惑行為防止条例違反の被疑者となってしまったら,お早めに弁護士に相談することをおすすめします。
謝罪と示談の締結によって,その示談内容にもよりますが早期の身体拘束からの解放や不起訴処分を得られる場合が多いです。
また盗撮の目的がなかったことを示すことも当事者だけでは難しい場合が多いです。
否認事件であれば特に弁護士の力が必要になります。
盗撮行為で迷惑行為防止条例違反の被疑者となってしまった方は,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(初回法律相談:無料)
亀岡駅での盗撮事件
亀岡駅での盗撮事件
~ケース~
Aさんは、京都府亀岡市にある亀岡駅の上りエスカレーターにおいて、目の前にいた女性Vの下着を、靴のつま先に取り付けた小型カメラで盗撮してしまいました。
Aさんの行動がかなり不審であったので、付近を警戒していた鉄道警察隊に職務質問をされ、盗撮を認めたところ、京都府迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~盗撮をするとどのような犯罪が成立するか?~
Aさんのような盗撮をしてしまった場合、京都府迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。
京都府迷惑行為防止条例第3条2項1号は、
①公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、
②他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、
③みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影すること
を禁止しています。
これに違反し、裁判で有罪が確定すると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(京都府迷惑行為防止条例第10条2項)。
~Aさんは今後どうなるか?~
逮捕された後、警察署に引致され、取調べを受けることになります。
取調べの後、釈放されなければ、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、Aさんを取調べた後、身柄を受け取ったときから24時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、あるいは起訴するかを決めることになります。
検察官が勾留を請求した場合、裁判官が勾留の要件を備えているかを検討し、勾留決定を出せば、10日間勾留されます。
さらに、やむをえない事由があると認めるときは、さらに最長10日間勾留を延長することができます。
検察官は勾留の満期日までに、Aさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放するかを決めることになります。
~逮捕された時点で何をすべきか?~
すでに述べたように、逮捕され、さらに勾留、勾留延長されると、最長23日間もの間身体拘束を受けることになり、当然その間、職場に出勤することはできず、無断欠勤を続けることになります。
23日間もの間無断欠勤を続けると、職場を解雇される可能性が極めて高いです。
そのため、一刻も早く外に出て、今まで通りの生活を送ることにより、Aさんの社会復帰に及ぼす悪影響を少なくする必要があります。
~早期の身柄解放の実現~
早期の身柄解放を実現するためには、早期に弁護士に依頼することが重要です。
Aさんの身体拘束が長引く要因は勾留されてしまうことにあります。
早期に弁護士を弁護人として選任すれば、弁護士から検察官や裁判官に勾留の要件を満たさないことを訴えかけ、勾留をさせないように働きかけることができます。
勾留されてしまった場合には、弁護士が準抗告などの不服申し立てを行い、勾留の取消を求めることができます。
さらに、被害者と示談を成立させることにより、勾留前であれば勾留されない可能性、勾留後であっても、釈放される可能性を高めることができます。
釈放されれば、普段通りに会社へ出勤することができるので、無断欠勤を続けてしまった日数、周囲の状況にもよりますが、会社に逮捕されたことを知られずにすむことも考えられます。
~不起訴処分の獲得に向けて~
示談の成立は、検察官が起訴又は不起訴の処分を決める際にも、Aさんにとって有利に影響することが期待できます。
検察官は、Aさんの犯罪を立証できる場合であっても、Aさんの性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、不起訴処分を行うことができます(刑事訴訟法第248条)。
示談の成立は、「犯罪後の情況」として考慮されることになります。
起訴されれば、無罪判決を獲得するのは困難であり、罰金刑であっても前科となります。
しかし、不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることがないので、前科がつくことはありません。
なるべくAさんの社会生活に悪影響を及ぼさないようにするためには、早期に弁護士に事件解決を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が盗撮事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
兵庫県伊丹市で盗撮冤罪事件
兵庫県伊丹市で盗撮冤罪事件
Aさん(30歳)は休日に電車を撮影するのが趣味です。
ある日、兵庫県伊丹市にある駅のホームにやって来る電車を撮影しようと、ホームでしゃがんで電車を撮影していました。
Aさんがカメラを向けていた方向に数名の女子高生が座っていたことから、その様子を見た駅員は、Aさんが盗撮をしていると思い込み、警察へ通報しました。
Aさんは駆け付けた警察官によって、兵庫県伊丹警察署に連行され、盗撮の容疑で取調べを受けています。
Aさんは何とか冤罪を晴らせないかと困っています。
(これはフィクションです)
~問題となる条文~
盗撮行為は、各都道府県のいわゆる迷惑防止条例違反にあたることが多いです。
例えば、兵庫県の迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)では、公共の場所や公共の乗り物において、人に対する不安を覚えさせるような卑わいな言動や正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器を設置する行為を禁止しており、これに違反して有罪が確定すれば「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科されることになります。
※各都道府県の迷惑防止条例によって、条文の内容が異なるので注意が必要です。
~故意犯処罰の原則~
刑法第38条 第1項
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りではない。
犯罪には、「罪を犯す意思(故意)」が必要です。
そのため、一般人から見て違法な行為を行ったとしても、行為を行った人が違法であることを認識していなければ原則として犯罪は成立しません。
そして、故意があったかどうかは、「犯罪事実の予見・認識」があったかどうか、つまり、行為をした人が、自己の犯罪事実を認識し、その後の結果を予見していれば、故意があると判断されることになります。
今回の事例では、Aさんは電車を撮影していただけで盗撮行為をする意思がないので、故意がないと判断されるでしょう。
~過失~
過失とは、簡単に言えば、不注意で犯罪を犯してしまった場合のことをいいます。
先ほど述べたように、原則、故意がなければ犯罪は成立しません。
しかし、例外的に、故意がなくても過失があれば犯罪が成立することがあります。
ただし、過失犯を罰するということは罪を犯す意思がない人を法律で罰することになるので、過失によって犯罪が成立するのは、比較的重大な法益が侵害される場合に限られます。
具体的には、刑法第38条に記載されているように、「法律に特別の規定がある」ときに限られます。
今回の事例で言えば、兵庫県の迷惑防止条例には盗撮の過失犯を罰する規定は存在しないので、盗撮行為には故意がない限り処罰されることはありません。
~故意が無いことを証明するには?~
故意は、罪を犯す「意思」であるので、目には見えません。
そのため、故意がないことを証明するのは、極めて困難です。
そこで、こうした盗撮の冤罪にお困りの際は、盗撮事件などの刑事事件に詳しい弁護士に一度相談してみることをおすすめします。
刑事事件専門の弁護士は、このような冤罪である盗撮の疑いをかけられてしまった人の対応を何度も行ってきているスペシャリストです。
故意がないことを証明することが、疑いをかけられてしまった人だけでは難しくても、弁護士の力を借りれば解決に向かう可能性を上げることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、兵庫県の盗撮事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
性行為を盗撮していたら
性行為を盗撮していたら
~事件内容~
大阪市中央区在住の会社員Aさん(30歳)は同僚の女性Bさん(25歳)を自宅に呼び、女性の同意を得て性行為をしました。
その時にAさんは小型カメラを設置し、性行為の一部始終を盗撮していたのですが、それがBさんに見つかってしまいました。
激怒した女性に110番通報され、Aさんはかけつけた警察官によって大阪府東警察署に連行されてしましました。
Aさんは大阪府東警察署で取調べを受け、盗撮にしようした小型カメラを押収されましたが、その日は家に帰ることができました。
Aさんは、今後どのように対処すればよいか分からず、弁護士に相談することにしました。
(これはフィクションです)
~問題となる条文~
盗撮行為は各都道府県のいわゆる「迷惑防止条例」に違反する可能性が高いです。
盗撮行為は各都道府県の条例によって、規制されていますが、盗撮した場所や盗撮の方法などによって適用される条文が異なります。
また、都道府県によって若干ではありますが、規制されている内容も異なり、科される刑罰も変わってきます。
Aさんの行為は盗撮用の写真機の設置となります。
例えば、大阪府の「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」では、撮影の目的で、人に写真機を向け、又は設置した人は、起訴されて有罪が確定すると「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」の刑罰を科されることになりますが、これは公共の場所や乗り物、若しくは公衆が利用することのできる通常衣類を身に着けない場所に限られているので、Aさんのように、自宅に盗撮用カメラを設置しても条文の適用を受けないでしょう。
他方、愛知県迷惑行為防止条例や神奈川県迷惑行為防止条例の場合ですと、盗撮するための、写真機の設置を禁止する条文の中に「住居」が含まれているので、盗撮するために写真機を設置したAさんの行為の行為は規制の対象になるでしょう。
~盗撮事件に対する弁護活動~
盗撮事件は法定刑を考慮すれば、比較的処罰が軽い犯罪になるので、罪を認めて証拠品を押収されていれば、逮捕や勾留されず、在宅事件になる可能性が高いです。
在宅事件の場合、取調べを受けに警察署に行かなければいけません。
そこで、取調べに呼ばれる前に、盗撮事件などの刑事事件に強い弁護士に相談をしておくことをおすすめします。
取調べの前に弁護士と相談しておくことで以下のメリットがあります。
①取調べを受ける準備をしておくことができる
警察官などによる取調べは、取調べ室という密室において、警察官と1対1で行われます。
1人で警察官に取調べを受けることは、かなりの精神ストレスになりますし、気付かぬうちに自分に不利な供述をしてしまう可能性もあります。
また、一度調書に記載されてしまうと、それを取り消すことは極めて困難ですし、その時の供述によって有罪が認定されてしまう場合もあるので十分に注意しなければなりません。
この様な事態を避けるために事前に、弁護士に相談しておくことで、取調べで警察に聞かれそうなことを想定しておくことができ、精神的に余裕を持って取調べに臨むことができるなどのメリットがあります。
②示談の申し込み
盗撮事件では、被害者の方と示談する事によって前科の回避や処分の軽減が望めます。
特に、示談の中に、宥恕条項を得ることができれば、今後不起訴になる可能性が高くなるでしょう。
しかし、事件の当事者だけで示談を行うことは極めて困難ですし、そもそも警察等の捜査当局から被害者情報が開示されるとも限りません。
盗撮事件の場合、被害者の方は事件の当事者に会いたくない、という精神状態の方が大半だからですし、そういった感情から、加害者に連絡先等の個人情報を加害者に開示することを拒む被害者も少なくないのです。
弁護士あれば、示談がスムーズに行うことができるように情報を集め、本人の代理人として被害者の方と示談交渉することが可能です。
大阪市中央区の盗撮事件でお困りの方、盗撮事件の被害者様と示談を望まれる方は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
盗撮に失敗しても盗撮罪?
盗撮に失敗しても盗撮罪?
~ケース~
埼玉県朝霞市在住のAさんは埼玉県朝霞市内の駅のエスカレーターで女子高生であるVさんのスカートの中を小型デジタルカメラで盗撮しようとした。
しかし,盗撮しようとした際に電源ボタンに指が当たって電源が切れてしまい,写真を撮ることができなかった。
ですが,盗撮行為に気づいたVさんや周囲の人によってAさんは取り押さえられ,通報により駆け付けた埼玉県朝霞警察署の警察官にAさんは引き渡された。
連絡を受けたAさんの家族は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に初回接見サービスを依頼した。
(フィクションです)
~盗撮~
盗撮行為は刑法に規定はありませんが,各都道府県の制定するいわゆる迷惑行為防止条例によって禁止されています。
条文は若干の違いはありますが,多くの都道府県で禁止されている行為は次のようになっています。
「公共の場所において,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で衣服等に覆われている身体又は下着を撮影すること。」
刑法は既遂処罰が原則で未遂を処罰する場合には別途規定する必要がありますが,迷惑防止条例には盗撮行為の未遂処罰は規定されていません。
したがって盗撮が未遂に終わった場合に処罰する規定は迷惑防止条例にはなく,別に定められている「卑わいな言動」として処罰するしかありませんでした。
しかし,最近では条例の改正により,「撮影すること」に加え「撮影する目的で撮影機器を差し向けること」を新たに盗撮の処罰の対象とする地域も増えてきました。
このため,地域によっては,盗撮に失敗し,盗撮が未遂に終わったとしても「撮影する目的で撮影機器を差し向けた」といえますので盗撮として処罰されることになります(なお,埼玉県ではまだこちらの条文の形にはなっていないため,先ほど挙げた「卑わいな言動」として処罰されることが考えられます。)。
今回のケースでAさんは,少なくとも盗撮する目的をもってVさんのスカート内にカメラを向けています。
したがって,誤って電源が切れてしまい撮影することができなかったとしても,差し向けた行為が盗撮として罰せられることになると考えられます。
上述のように,埼玉県では「卑わいな言動」として処罰される可能性があります(埼玉県迷惑防止条例2条4項)。
罰則は都道府県によって異なりますが,埼玉県では「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります(埼玉県迷惑防止条例12条2項1号)。
盗撮事件の場合,何度も繰り返しているという常習犯でなければ,起訴された場合でも罰金刑となることが多いでしょう。
また,初犯の場合や件数が少ない場合には刑事裁判とならずに略式手続きという簡易な手続きで罰金刑となる場合もあります。
~盗撮で捕まってしまったら~
盗撮で捕まってしまった(逮捕された)場合,勾留はされずに途中で釈放され,在宅で事件が進むケースも多いです。
在宅事件の場合には,勾留された場合と異なり検察官が起訴するかどうかのタイムリミットが厳格に定められていません。
そのため,検察官は事件後の情状などを総合的に判断して被疑者を起訴するかどうかを決定します。
盗撮事件で検察官が被疑者を起訴するかどうかの判断に最も大きな影響を与える要素の1つは,被害者の方と示談が成立しているかどうかです。
示談が成立している場合,当事者間で解決しているのであり,あえて国家が刑罰を科す必要はないと考えられる場合があります。
特に,示談交渉の中に,「加害者を許す」という宥恕条項がある場合には前科や余罪がない場合には高確率で起訴猶予となるでしょう。
一方で,示談が成立していない場合には起訴されてしまう可能性は高くなります。
したがって,盗撮事件では示談を成立させられるかどうかが鍵となります。
しかし,示談交渉には被害者の方の連絡先を知る必要があります。
弁護士であれば検察官等から被害者の連絡先を取り次いでもらい示談交渉ができる場合もあります。
まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
盗撮事件を起こしてしまい,お悩み・お困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料相談・警察署等での初回接見サービスのご予約を24時間受け付けています。
盗撮と示談
盗撮と示談
神奈川県相模原市に住むAさんは、駅のホームで、右手に持っていたスマートフォンの動画撮影機能を利用して、前に並んでいた女性Vさんのスカート内を盗撮した(のちに、スマートフォン内にVさんの下着等が撮影されていたことが判明)として、神奈川県津久井警察署に神奈川県迷惑防止条例違反で逮捕されました(その後、釈放)。
Aさんは、Vさんとの示談に向けて刑事事件の弁護士に無料相談を申込みました。
(フィクションです)
~ 神奈川県迷惑行為防止条例 ~
神奈川県内における盗撮を禁ずる規定については「神奈川県迷惑行為防止条例(以下、条例)」の3条1項2号、3条2項に設けられています。
条例3条1項
何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
2号
人の下着若しくは身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)を見、又は人の下着等を見、若しくはその映像を記録する目的で写真機その他これに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置し、若しくは人に向けること。
条例3条2項
何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。
スマートフォンなどのカメラ機能付き機器で下着等を撮影することも条例3条1項2号の「人の下着等を見る」といえますから、Aさんの行為は3条1項2号に当たります。
3条の規定に違反した場合は、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」あるいは、常習として盗撮行為に及んだ場合は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」として処罰されるおそれがあります。
~ 盗撮の示談(交渉)に弁護士が入る意味 ~
AさんはVさんとの示談交渉を望んでいるようですが、示談交渉は以下の理由から弁護士に依頼する必要があります。
= 被害者の連絡先を入手でき、示談交渉が可能となる =
盗撮の場合、加害者自ら被害者と示談交渉しようとしても、被害者と面識がなく連絡先を知らないことが大多数だと思われます。
また、警察などに連絡をしても、被害者に対する罪証隠 滅行為を疑われ、被害者のプライバシーを保護する観点からも被害者の連絡先を教えてはくれません。
この点、弁護士であれば被害者の同意のもと連絡先を連絡先を入手することができ、示談交渉を始めることが可能です。
= 円滑な示談交渉が期待できる =
盗撮によって被害者は辱めや、不安を受けています。
そこに、加害者自ら示談交渉を進めようとしても被害者の感情を逆なでするだけになってしまうことも考えられます。
この点、弁護士であれば、そのような感情を抜きに示談交渉を進めることができます。
弁護士であれば、当事者の間に立って、被害者の要望と加害者の要望とを上手く調整しながら示談交渉を進めることができます。
= トラブルを避ける =
示談に関するトラブルを避けるには、適切な内容・形式で示談書を作成しなければなりません。
一部の条項が欠けていたり、文言が不適切だった場合はのちのちのトラブルに発展しかねません。
この点、弁護士は示談書作成の専門家です。
安心して示談書作成を任せることができます。
= 不起訴を獲得できる =
盗撮では、示談締結が不起訴獲得のための必要条件といっても過言ではありません。
もちろん前科や犯行態様などにもよりますが、刑事処分前に示談を成立させることができれば、不起訴獲得の可能性は飛躍的に上がります。
作成した示談書の写しは検察官に提出しますが、弁護士が間に入って作成した示談書であれば信用性が増し、不起訴処分に繋がりやすくなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮などの刑事事件専門の法律事務所です。
盗撮での示談交渉、不起訴獲得なら刑事事件専門の弁護士にお任せください。
年中無休、24時間対応の0120-631-881で無料法律相談、初回接見サービスのお問い合わせを受け付けております。
東京都三鷹市の駅で盗撮事件
東京都三鷹市の駅で盗撮事件
~ケース~
Aさんは,仕事の人間関係などのストレスを発散するために,東京都三鷹市内にある駅で女性のスカートの中を盗撮していた。
ある日Aさんがエスカレーターで前を歩いていたVさんのスカートの中を盗撮しようとスマートフォンを差し出したところ,後ろにいたXさんに気づかれAさんは取り押さえられた。
Aさんは駅員に引き渡され,通報により駆け付けた警視庁三鷹警察署の警察官によってAさんは逮捕された。
(フィクションです)
~盗撮~
盗撮は,刑法ではなく各都道府県の定めるいわゆる「迷惑防止条例」によって禁止されています。
条例は各都道府県ごとに定められていますので,罰則や条文などに若干の違いがあります。
以下に,例として東京都が制定している迷惑防止条例の盗撮行為に関する条文を記載します。
第5条 何人も,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為であって,次に掲げるものをしてはならない。
(1) 略
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を,写真機その他の機器を用いて撮影し,又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け,若しくは設置すること。
イ 住居,便所,浴場,更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所,公共の乗物,学校,事務所,タクシーその他不特定又は多数の者が利用し,又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
「公共の場所」とは,道路,公園,広場,駅,空港,ふ頭,興行場その他の公共の場所をいい,「公共の乗物」とは汽車,電車,乗合自動車,船舶,航空機その他の公共の乗物をいいます(第2条)。
都道府県によって条文の文言に違いはありますが,規制される行為の内容にはあまり違いはありません。
なお,東京都の場合,罰則はカメラ等の差し向け・設置の場合には6月以下の懲役または50万円以下の罰金,撮影した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっていますが,都道府県によっては両者の罰則に違いがない場合もあります。
~盗撮で逮捕されたら~
盗撮で逮捕された場合,基本的に携帯電話は押収されます。
押収の方法として任意提出と差押えの2つが考えられますが,任意提出を拒否したとしても差押え令状によって差押えられることになるでしょう。
また,任意提出を拒んだ場合,罪証隠滅の疑いがかけられる可能性が高く,勾留されてしまったり保釈が認められにくくなる可能性もあります。
押収された携帯電話は証拠となるため終局処分まで返してもらえないことが多いですが,撮影をしていない場合で余罪のデータなどが無かった場合には,証拠とはならないとされて送検される前に返してもらえる場合もあります。
余罪の画像などデータがある場合には,撮影日時はデータから分かりますが,場所についてはGPSとの紐づけなどの設定がされていない場合にはデータのみからはわからないことも多いでしょう。
盗撮を立件する場合,撮影の日時・場所の特定が必要となりますので,取調べの対応次第では余罪として立件されない場合も考えられます。
~弁護活動~
盗撮事件の場合,初犯であれば被害者の方と示談が成立していれば,起訴猶予の不起訴処分となる場合が多いです。
一方,示談に応じてもらえなかった場合などは,件数にもよりますが略式手続きによる30万円~50万円程度の罰金となることが多いでしょう。
盗撮事件で示談交渉を加害者の方が自ら行うことは非常に困難です。
示談交渉を行おうとしても,盗撮事件の場合,被害者は見ず知らずの方であることが多く,連絡先なども一切わからないと思います。
弁護士であれば検察官や警察から被害者の連絡先などを取り次いでもらえる場合もあり,それによって示談交渉ができる可能性が上がります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
盗撮事件を起こしてしまいお困りのかたは,0120-631-881までお気軽にご相談ください。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約を24時間受け付けています。
高校の女子トイレに盗撮カメラを設置し取調べ
高校の女子トイレに盗撮カメラを設置し取調べ
~ケース~
Aさんは北海道札幌市内の公立の高等学校の教師をしています。
Aさんは、女子トイレの利用者を盗撮しようと思い、小型カメラをトイレ個室の利用者が写るように設置しました。
次の日にカメラを回収しようとすると、すでにカメラの設置が発覚し騒ぎになっているようです。
Aさんは罪悪感にかられ、みずから小型カメラを設置したことを告げました。
その結果、Aさんは同僚により北海道中央警察署に通報されてしまいました。
取調べを受けた後、Aさんは家に帰ることができましたが、今後も取調べを受ける予定です。
(フィクションです)
~Aさんに成立しうる犯罪は?~
Aさんには、①北海道迷惑行為防止条例違反の罪、②建造物侵入罪が成立する可能性が高いと思われます。
以下、それぞれについて解説します。
(北海道迷惑行為防止条例違反の罪)
北海道迷惑行為防止条例第2条の2第3号は、正当な理由がないのに、「住居、浴場、便所、更衣室その他の人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(以下この号及び次号において「住居等」という )における当該状態の他人の姿態を撮影し、又はこれを撮影するため写真機等を住居等における当該状態の他人に向けること」を、第4号で「住居等における前号に規定する状態の他人の姿態を撮影するため、写真機等を設置すること」を禁止しています。
正当な理由がないとは不法という程度で、禁止行為を行えば通常該当します。
Aさんが勤務する高校の女子トイレは明らかに上記「便所」に該当します。
そこで用を足すために服を脱ぐでしょうから、その状態を撮影するために小型カメラを置けば、北海道迷惑行為防止条例2条の2第4号違反になります。
上記行為につき起訴され、有罪が確定すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(北海道迷惑行為防止条例第11条1項)。
(建造物侵入罪)
建造物侵入罪は、正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入する犯罪です。(刑法第130条前段)
判例によると、「侵入」とは「管理権者の意思に反する立ち入り」を意味します。
Aさんはあらかじめ盗撮カメラを用意して学校に立ち入っています。
Aさんは教師にすぎず、管理権者ではありません。
あらかじめ盗撮カメラを用意していたこと及びその他の事情により、学校へ盗撮目的で立ち入ったものと判断された場合は、通常、盗撮目的での学校への立ち入りは管理権者が容認していないと考えられるので、当該立ち入りが「侵入」に該当すると判断される可能性があります。
建造物侵入罪につき、有罪が確定すると、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます。
~今後Aさんはどうなるか?~
現在、Aさんは在宅で捜査されており、逮捕されていません。
警察段階での捜査が進み、警察での捜査が熟せば、検察に事件が送検され、検察官からも取調べを受けることになります。
そして、最終的に検察官がケースの事件につき、起訴するか、あるいは不起訴にするかを判断することになります。
起訴されると、無罪判決を獲得するのは困難であり、有罪判決を受けると、前科がつくことになります。
また、Aさんは教師という公務員ですので、Aさんの勤務先から、免職を含む懲戒処分を受けることも考えられます。
Aさんの場合、懲役刑を受けると執行猶予付きであっても当然に失職します(地方公務員法28条4項・16条2号)し、起訴されるだけで休職になる可能性があります(地方公務員法28条2項2号)。
そのため、身体拘束をされていないからといって、何もせず過ごすのではなく、被害者との示談交渉など、不起訴処分の獲得に向けた活動を行っていくべきです。
まずは弁護士に相談し、取調べの対応方法、事件の解決までどう過ごしていればよいか、示談交渉はどう行うか、などの点につき、助言を受けることをおすすめします。
取調べで供述したことは、Aさんにとって有利にも、不利にもなります。
供述の内容、あるいは捜査中のAさんの行動によっては、現在在宅で捜査が進行していても、後日逮捕されてしまう可能性はゼロではありません。
弁護士とよく相談し、今後の対応策を検討しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、ケースのような盗撮事件の解決実績も豊富です。
盗撮事件を起こしお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
教室内での盗撮
教室内での盗撮
臨時講師であるAさんは、福岡県田川市内にある中学校の教室内で、女性教諭のスカート内を盗撮した福岡県迷惑行為防止条例違反の疑いで福岡県田川警察署に事情を聴かれることになりました。
本件では、盗撮場所である教室が、条例で定める「公共の場所」であるか否かが問題となっているようです。
(実際にあった事例を基に作成したフィクションです。)
~ はじめに ~
上記事例は、先日、各新聞やニュースなどで取り上げられた中学校教室内における盗撮事件で、教室が「公共の場所」に当たらないと判断されて立件を見送られた、という事例を基に作成したものです。
このニュースを見て「どうして見送られたのか?」「他に処罰する法律はないのか?」「見送られた後はどうなるのか?」などと疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、まずは事例の基となった盗撮事件が起こった秋田県内で盗撮行為を規制する秋田県迷惑行為防止条例の規定から見ていきたいと思います。
~ 秋田県迷惑行為防止条例が規制する盗撮行為 ~
秋田県迷惑行為防止条例(以下、条例)では、条例4条で盗撮行為を規制しています。
条例4条1項
何人も、正当な理由がないのに、公共の場所又は公共の乗物において、人の性的 羞しゆう 恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
1号 人の身体に、衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から接触し、又は直接接触すること。
2号 衣服等で覆われている人の下着又は身体をのぞき見し、又は撮影すること。
3号 前二号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
条例4条2項
何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣場、便所その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所において当該状態でいる人を撮影してはならない。
今回の事例が秋田県で起きていれば、Aさんは女性教諭のスカート内を盗撮したということですから、Aさんの行為は「衣服等で覆われている人の下着を撮影した」として条例4条1項2号に当たり得るでしょう。
* 罰則について *
罰則については、条例17条1項1号で「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされ、さらに常習として行った場合は条例17条2項で「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられます。
~ 「公共の場所」とは ~
問題は、本件教室が「公共の場所」であるか否かという点です。
この点、「公共の場所」とは、道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興行場、飲食席、遊技場その他の公共の場所など、有償・無償を問わず不特定多数の者が、自由に出入りし利用することができる場所とされています。
これからすると、一般的に、中学校の教室は、当該中学校の学生あるいは教職員のみが使用できる場所であって、「不特定多数の者が、自由に出入りし利用することができる場所」とは言い難いと思われます。
したがって、本件教室は「公共の場所」には当たらない(よって、秋田県の迷惑防止条例違反では処罰されない)でしょう。
* 他の県では処罰される可能性も? *
ところが、他の県では、教室内の盗撮であっても処罰される可能性があります。
例えば、今回の事例のAさんが盗撮を行った福岡県の迷惑行為防止条例では、盗撮行為を禁じる場所として「公共の場所」、「公共の乗物」以外に「その他の公衆の目に触れるような場所」を加えており、「その他の公衆の目に触れるような場所」には学校の教室も含まれると考えられるからです。
現在のところ、事例の基となった盗撮事件の起きた秋田県では同様の規定はありませんが、今回の事件を受けて同様の規定を設ける条例改正の動きが出てくるかもしれません。
~ 立件見送りとは? ~
今回の事例の基となった盗撮事件では、警察が立件を見送ったとのことでした。
立件を見送ったということは、今後、警察官の取調べを受けることはなくなるでしょうし、事件が検察庁へ送致されることもありません。
したがって、起訴、不起訴の刑事処分を受けたり、裁判を受けることもありません。
もちろん、前科はつきませんが、前歴としては残るでしょう。
犯罪の成否やその後の処分等は、なかなか一般の方だけでは分かりにくく、面倒なことが多いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
ご不安の解消のための一歩として、無料法律相談、初回接見サービスをご案内させていただきます。
コンビニトイレ内に盗撮カメラ設置
コンビニトイレ内に盗撮カメラ設置
Aさんは,京都市左京区にあるコンビニトイレの女性専用トイレ内に入り、トイレ内にあった花瓶に小型カメラを仕掛けました。
そうしたところ、トイレ内を清掃中の女性のコンビニ店員が同カメラを発見。
京都府下鴨警察署へ通報しました。
警察によれば、小型カメラには女性店員をはじめとする女性の顔や小便をする姿(人の通常衣服で隠されている身体)が映っていたとのことです。
Aさんは、建造物侵入罪と京都府迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまいました。
逮捕の通知を受けたAさん母親は、盗撮に強い弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです)
~ コンビニトイレ内の盗撮 ~
コンビニトイレ内の盗撮行為は、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反に問われる可能性があります。
京都府の迷惑行為防止条例を例に挙げると、その3条に、次の規定が設けられています。
京都府迷惑行為防止条例3条
1項 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
(略)
2項 何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、前項に規定する方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
(1) みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影すること。
(2) みだりに、前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣の中をのぞき込み、又は着衣の中が見える位置に写真機その他の撮影する機能を有する機器を差し出し、置く等をすること。
(略)
3項 何人も、みだりに、公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所における当該状態にある他人の姿態を撮影してはならない。
これによれば、トイレ内の盗撮行為は、「トイレ内にいる人」の、「着衣で覆われている他人の下着等を撮影する」又はそうした行為をしようとして「着衣の中が見える位置に写真機その他の撮影する機能を有する機器を差し出し、置く等」した場合に成立します。
「着衣の中が見える位置に写真機その他の撮影する機能を有する機器を差し出し、置く等」した場合にも成立するということは、カメラの設置方法が悪く、動画内に「着衣で覆われている他人の下着等」が映っていなかった場合でも成立するということですから注意が必要です。
~ その他の罪 ~
コンビニのトイレは、通常、コンビニ内に設けられていますが、コンビニ内に立ち入ることが認められても、男性が盗撮目的で女性専用のトイレ内まで立ち入ることを認められたわけではありません。
盗撮目的で女性専用のトイレに立ち入る行為は、「建造物侵入罪(刑法130条前段)」の「侵入」に当たります。
小型カメラがAさんの物だということが判明すれば小型カメラの設置場所にもよりますが、Aさんがトイレ内に立ち入ったと強く推認されてしまいます。
したがって、警察では小型カメラの入手経緯、動画・写真内の内容、カメラへの指紋の着手の有無等を詳しく調べられることになるでしょう。
~ 盗撮で逮捕されたら ~
今回のケースでは、弁護士としてはAさんの早期釈放に努めることが考えられます。
勾留前であれば、検察官や裁判官に勾留しないように働きかけることができます。
また、勾留後であっても勾留決定に対する不服申し立てを行って早期釈放を目指すことができます。
さらに、Aさんが盗撮の事実を認めている場合は、建物の看守者や盗撮害者に被害弁償、示談交渉を進めさせていただき不起訴処分獲得を目指すことも考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
弊所では、突然の逮捕でお困りの方のために、土日・祝日を問わず24時間,弊所の初回接見サービスを受け付けております。
依頼を受けた弁護士は速やかに逮捕された方と接見し、今後の弁護方針や事件の見通しなどをご説明させていただきます。
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