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京都府京田辺市の駅における盗撮事件

2019-04-09

京都府京田辺市の駅における盗撮事件

Aさんは、京都府京田辺市の駅のホームに上る階段において、携帯電話のカメラ機能を用い、前を歩いていた女性のスカートの中を盗撮してしまいました。
そして、盗撮を警戒していた京都府田辺警察署の警察官に盗撮の犯行を現認されたため、現行犯逮捕されました。
Aさんは京都府田辺警察署に引致され、取調べを受けています。
(フィクションです)

~ケースの盗撮行為はどのような犯罪か~

駅の階段など、公共の場所で盗撮行為を行った場合は、通常、各都道府県が制定する迷惑防止条例違反の罪の成否が検討されます。
Aさんは京都府京田辺市の駅で盗撮を行ったので、京都府の迷惑防止条例(京都府迷惑行為防止条例)に違反するかどうかが問題となります。

京都府迷惑行為防止条例第3条第2項第1号は、「公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において」、「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で」、「みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影すること」を禁止しています。
これに違反して盗撮行為をし、有罪が確定すれば1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
なお、常習としてこの盗撮行為をしていたと認められた場合には、さらに重い2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることになります。

~今後Aさんはどうなるか?~

取調べでは、今回の盗撮行為について尋ねられるのはもちろんですが、余罪についても追及されるかもしれません。
また、現行犯逮捕された時点で、盗撮に用いた携帯電話は押収されるので、他に盗撮を行ったことをうかがわせる写真が発見されれば、余罪についての嫌疑が高まることが考えられます。

(刑事手続の進行)
逮捕後に釈放されない場合、警察は逮捕時から48時間以内にAさんの身柄を検察に送致します。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内に①Aさんの勾留を請求するか、②Aさんを釈放するか、③Aさんを起訴するかを決めなければなりません。
勾留を請求されると、裁判官が勾留の可否を検討し、さらに身体拘束をする必要があると認めれば、「勾留決定」を出します。
一旦勾留されると最長10日間、勾留延長をされるとさらに最長10日間の身体拘束を受けることになります。
上記の身体拘束の期間を合計すると、捜査段階で最長23日間外に出られない、ということになります。

~Aさんはこれからどうするべきか~

逮捕、勾留、勾留延長をされると、長期間外に出ることができないので、その間、無断欠勤、無断欠席を続けることになります。
23日間も無断欠勤を続けた場合、会社を解雇される可能性は極めて高いといえますし、学校を欠席する場合も、進級・進学に深刻な悪影響を及ぼすおそれがあります。
したがって、現行犯逮捕されてしまった場合にこうした影響を最小限にとどめようとすれば、まず勾留をさせない方向に向けて活動しなければならないことが多いです。
勾留されずに釈放されることができれば、そのまま勤務先に出勤し、あるいは学校に登校することができます。

~まずは弁護士に相談~

勾留をさせない活動を具体的に紹介しますと、①検察官に勾留の要件を満たさないことを主張し、勾留請求をしないよう働きかける、②裁判官に勾留決定を出さないよう働きかけることが考えられます。
検察官や裁判官に、Aさんについて罪証隠滅、逃亡のおそれがないことを納得してもらう必要があります。
そのためには、積極的に留置場の外で活動する必要がありますが、逮捕されているAさんがこれを行うことはほぼ不可能です。
したがって、弁護士を弁護人として選任し、身柄解放活動を依頼することをおすすめします。
弁護士は法律の専門家ですから、法的な見地から、勾留の要件を充足しないことを訴えかけます。
また、手続きに関して疑問がある場合には、弁護士に尋ねて助言を受けることもできます。

~示談交渉を弁護士に依頼~

最終的に不起訴処分を獲得できれば理想的だ、と考える方も多いでしょう。
検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の情況を考慮し、裁判にかけない処分を行うことができます。
不起訴処分を得られれば、裁判にかけられることがないので、前科がつかずに済みます。

不起訴処分の獲得に向けた活動として、被害者と示談をすることが考えられます。
示談は、事件の解決に向けた当事者間の合意であり、通常、被疑者から被害者へ示談金を支払うことになります。
示談が成立すれば、Aさんにとって有利な事情として考慮されることが期待でき、不起訴処分を得られる可能性が高まります。
また、後日民事訴訟を提起され、損害賠償請求を受けるリスクもなくなります。
法的に意味のある示談を成立させる必要があるので、示談交渉についても法律の専門家である弁護士に依頼されることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所であり、ケースのような盗撮事件の解決実績も豊富です。
ご家族、ご友人が盗撮事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービスの依頼は0120-631-881まで。京都府田辺警察署までの初回接見費用:42,600円

兵庫県神戸市で弁護士による身柄解放活動

2019-04-04

兵庫県神戸市で弁護士による身柄解放活動

兵庫県神戸市に住むAさんは、神戸市内にある駅構内のエスカレーターにおいて、超高性能小型カメラを女性のスカートの中に差し入れて、スカート内を盗撮したとして、兵庫県長田警察署に逮捕され、その後勾留された。
勾留が決定された後、Aさんの母親が病気によって死亡してしまい、Aさんは何とか葬式に出席したいと考えている。
また、Aさんとしては、同種の余罪もなく、逃亡するつもりもないことから、身柄解放をして貰いたいと考えている。
そこで、Aさんの妻は、盗撮事件に強い弁護士事務所の無料法律相談に赴き、その事務所の弁護士にAさんの接見及び身柄解放活動を含んだ弁護活動を依頼することにした。
(上記事例はフィクションです)

~起訴前の身柄解放活動について~

上記の事例において、Aさんは逮捕、勾留されていることから、逮捕から最大23日間の身柄拘束がなされ、その間に起訴または不起訴の決定がなされることになります。
勾留期間が長期に及んだ場合、会社などに通勤することが不可能になるため、解雇されてしまうおそれもあり、精神的肉体的苦痛も大きくなります。
そのため、Aさんとしては、弁護士を選任して、できる限り早期に身柄解放してもらう必要があります。
さらに、Aさんの場合、母親が亡くなったことからその葬儀に参列したいとも思っており、当然逮捕・勾留によって身体拘束が続けば葬儀への参列はかないませんから、そのためにも身柄解放をしてもらう必要があると考えられます。
では、Aさんのような状況下での弁護士による身柄解放活動として、どういった活動が考えられるでしょうか。

第一に、被疑者の勾留が決まった場合に弁護士の取りうる手段としては、勾留に対する準抗告を行うことが考えられます。
勾留に対する準抗告とは、裁判官の行った勾留決定に対する不服申立てのことをいい、刑事訴訟法429条1項2号に基づいてなされます。
勾留に対する準抗告では、弁護士が、裁判官に対し、Aさんが被疑事実を認めていることや、同種余罪もなく、罪証隠滅や逃亡のおそれがないことを主張して、Aさんに勾留の必要性がないことを主張することになります。
勾留に対する準抗告が認められれば、Aさんの身柄拘束は解かれることになります。

第二に、弁護士としては勾留の執行停止の申立てを行うことが考えられます。
刑事訴訟法95条は、「裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。」として、勾留の執行停止を規定しています。
上記の「適当と認めるとき」とは、勾留の執行を停止する緊急かつ切実な必要性がある場合、をいうと考えられています(広島高決昭60.10.25)。
上記の事例において、Aさんには、勾留決定後、母親が病気で死亡しており、その葬儀に出席する必要があるという事情があります。
裁判例においても、近親者の葬儀への出席は認められやすい傾向にあることから、Aさんについても、勾留の執行停止が認められる可能性が高いといえます。
もっとも、勾留の執行停止については、期限が定められた一時的な処分にすぎず、期限が到来すれば再び留置施設に戻ることになります。

第三に、弁護士としては勾留取消の申立てを行うことが考えられます。
勾留取消の申立てについては、刑事訴訟法87条1項に規定されており、勾留決定時には、勾留の必要性が存在したが、取調べの経過などによって、すでに勾留の必要性がなくなったと主張することをいいます。

ここまでの手段が、勾留決定がなされてから起訴されるまでの間に、法律上弁護士ができる身柄解放活動になります。

~起訴後の身柄解放活動について~

仮に、Aさんが起訴されてしまった場合には、保釈請求を行うことが考えられます。
「保釈」という言葉は報道でもよく聞かれる言葉ですから、身柄解放活動の例として「保釈」という単語を思い浮かべる人も多いと考えられます。
もっとも、保釈については、起訴された後に限り認められた処分であり、起訴前の段階では行うことができない処分となります。

保釈については、被告人(起訴後は被疑者から被告人という名称に変わります)に法律上認められた権利であり、一定の類型に当たる場合(重大犯罪の場合、罪証隠滅のおそれがある場合など)を除き、保釈金を支払えば原則として認められることになります。
また、保釈については、勾留の執行停止と異なり、一度保釈決定がなされれば、逃亡などの事由がない限り、実刑判決が下されるまでは、身柄は釈放されたままとなります。

盗撮事件で逮捕され、勾留の執行停止の申し立て等、身柄解放活動をしてほしいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士まで、ご相談ください。
弊所では、逮捕・勾留されてしまった方向けの初回接見サービスもご用意していますから、逮捕・勾留を伴う刑事事件にお困りの方も遠慮なく0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。
兵庫県長田警察署までの初回接見費用 35200円)

盗撮と私選弁護人

2019-03-30

盗撮と私選弁護人

東京都江東区に住むAさんの妻Bさんは,警視庁深川警察署から「旦那さんを盗撮で逮捕しました」との連絡を受けました。
突然の逮捕に驚いたBさんは,まずは旦那と面会しようと思い警察に連絡しましたが,「しばらくは面会できない」と断られてしまいました。
そこで,Bさんは弁護士に接見してもらうべく,刑事事件に強い法律事務所に接見を依頼しました。
Bさんは,弁護士の接見後の報告を受け,その際,私選弁護人と国選弁護人の違い,私選弁護人を選任するメリットなどについて説明を受けました。
(フィクションです)

~ 私選弁護人と国選弁護人 ~

刑事事件弁護士は私選弁護人と国選弁護人に分けられます。
私選弁護人とは,被疑者その他弁護人選任権のある方から選任された弁護士のこと,国選弁護人とは,勾留状を発布された(勾留された)被疑者が貧困等の事由により弁護人を選任することができない場合において,被疑者の請求により,国によって選任された弁護士のことをいいます。
私選弁護人は費用がかかる,国選弁護人は費用がかからないなどというイメージを持たれているかとは思いますが,具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

* 選任の条件 *

私選→特になし。
国選→資力が50万円未満であること。資力申告書を提出する必要があること(虚偽記載の場合10万円以下の過料に処せられることがある)

* 選任時期 *

私選→なし(立件前・逮捕前でも,逮捕期間中でも,とにかくいつでも可)。
国選→勾留状が発布されてから(逮捕前,逮捕期間中は選任不可)。

* 費用 *

私選→自己負担。
国選→原則国が負担(自己負担なし)。

* 選任・解任の自由 *

私選→自由。
国選→自由に選べないし,いつでも解任できるわけではない。

* その他 *

私選→刑事事件に特化した法律事務所,あるいは精通している弁護士を選ぶことができる
国選→上記と逆

 弁護士費用の相場 

盗撮事件の弁護士費用はおおよそ60万円から180万円が相場ではないかと思われます。
ただし,弁護士費用は事件の難易度(認め事件か否認事件か),件数,実際に活動した内容(かかった実費,交通費)などによって変動があります(さらに,事務所の料金システムによっても上下変動があります。)。
弊所では,初回接見の報告時や無料法律相談時に正確な金額や内訳についてご説明させていただいています。

~ 私選弁護人を選任するメリット ~

弁護士費用は決して安い金額ではありません。誰しも,高額な金額を支払う見返り(結果)を求めるものです。私選弁護人を選任したからといって,必ずよい結果を期待できるわけではありません。しかし,一般的に以下のメリットがあります。私選弁護人にしようか,国選弁護人にしようか迷われている方などはぜひ参考にされてください。

* 逮捕期間中から面会できる *
  
逮捕期間中とは,通常,逮捕されてから勾留決定が出るまでの期間のことをいいます。
この期間は時間で換算すると約72時間です。上記でもご紹介しましたが,実は,この期間は弁護人となろうとする者(当番弁護士など),あるいは私選の弁護人としか接見することができません(一般の方の面会は法律上認められていません)。
一日でも早く家庭に戻ってきて欲しい,はやく釈放させてあげたい,などとお考えの方は私選弁護人を選任された方がいいでしょう。

* 釈放に向けた弁護活動を行ってもらえる *
 
私選弁護人であれば,逮捕期間中から警察官や検察官,裁判官に釈放してもらえるよう働きかけることができます。
これにより早期釈放が可能となります。また,仮に勾留された場合でも,不服申し立てをしてもらえます。不服申し立てが認められた場合は10日間の勾留満了日を迎える前に釈放されます。

* 被害者との示談交渉が可能となる *
 
盗撮行為を認める場合は示談交渉が有効な弁護活動です。
そして,示談交渉を始めるにあたっては,被害者の個人情報(氏名,住所,電話番号等)を取得しなければなりません。
しかし,被害者はもちろん,警察や検察の捜査機関も被害者の個人情報を本人に教えません。
この点,弁護人であれば個人情報を取得できる可能性が高いです。
また,弁護人であれば適切な形式・内容で示談を成立させることが可能で,のちのちのトラブルも回避することができます。
示談を成立させることができれば不起訴処分を獲得できる可能性も高くなります。

* 裁判で弁護活動をしてくれる *

盗撮を認める場合,ただ,裁判でいくら反省しているなどと述べても,あまり説得的ではないでしょう。
この点,弁護人であれば,第三者的立場からより効果的により説得的に,本人にとって有利な情状を主張することができます。
盗撮を否認する場合は,被害者,目撃者等に対する反対尋問等を行ったり,有利な証拠を提出したりします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談,初回接見サービスのご予約を受け付けています。

京都府八幡市で欠格事由を弁護士に相談

2019-03-25

京都府八幡市で欠格事由を弁護士に相談

大学4年生のAさんはある日,京都府八幡市内のショッピングセンター内で女性Vのスカートの中をスマートフォンで盗撮した。
近くにいた警備員に見つかったため,Aさんはその場から逃走した。
家に帰った後,Aさんは今回の盗撮事件が発覚し逮捕されてしまったら,控えている資格試験に影響するのではないかと不安になった。
Aさんは,資格の欠格事由等について詳しく相談するため,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用することにした。
(フィクションです)

~欠格事由~

公務員や国家資格,株式会社の取締役などは刑事罰を受けた場合に資格を失う欠格事由が規定されています。
欠格事由に該当した場合に直ちに欠格となる場合を絶対的欠格事由欠格事由に該当しても場合によっては資格が認められる場合を相対的欠格事由と呼びます。
たとえば公務員の場合(国家公務員,地方公務員共通です)は,欠格事由として「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」と定められています(国家公務員法38条,地方公務員法16条)。
執行を受けることがなくなる」とは執行猶予期間が満了するという意味です。
公務員の場合は絶対的欠格事由ですので,公務員の方が禁錮以上の刑となった場合,執行猶予が付いたとしても直ちに失職してしまいます。

以下には,その他主な国家資格の欠格事由の例を挙げています。

・医師,薬剤師,看護師:罰金以上刑に処せられた者(相対的欠格事由)
・(一級)建築士,宅地建物取引士:禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わってから又はその執行を受けることがなくなってから5年間,建築士の場合は禁錮以上の刑に処された場合(絶対的欠格事由)
・行政書士,司法書士,土地家屋調査士など:禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わってから又はその執行を受けることがなってから3年間(絶対的欠格事由)
・弁護士,弁理士,教員:禁錮以上の刑に処せられた者(絶対的欠格事由)

医師,薬剤師,看護師といった医療関係の国家資格の場合は罰金刑であっても免許が与えられないことがある相対的欠格事由となっています。
弁護士,弁理士といった高度な法律専門職,教職員の場合は禁錮以上の刑に処された場合(執行猶予が付いていても)には直ちに欠格事由となります。
その他の多くの資格の場合,禁錮以上の刑に処された場合に一定期間が絶対的欠格事由となります。
また,建築士の場合は絶対的欠格事由の他,禁錮以上の刑に処された場合には免許が与えられないことがある相対的欠格事由も規定されています。

~欠格事由に当たらないようにするために~

多くの医療関係以外の資格の欠格事由は「禁錮以上の刑」かどうかが基準となっています。
そのため,もしも資格取得を志していらっしゃる方が罪を犯してしまった場合,多くのケースでは禁錮以上の刑とならないように弁護活動をするのが基本となります。
重大でない犯罪は多くの場合,禁錮・懲役刑の他に罰金刑も規定されています。
今回のケースでAさんは盗撮をしていますが,盗撮事件は多くの場合,各都道府県の迷惑行為防止条例違反となり罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金や、6月以下の懲役または50万円以下の罰金というものが多いです。

また,犯罪行為をしてしまった場合でも情状により検察官が処罰の必要はないと判断した場合には起訴猶予(不起訴)処分となる場合もあります。
罰金や執行猶予付き判決の場合には前科となってしまいますが不起訴処分となった場合には前科とはなりません。
検察官が事件を不起訴とするかどうかは前科,犯行態様,被害の大きさ,被害者の方の処罰感情,本人の反省といった犯行後の情状などを総合的に判断して決定します。
その為,被害者の方への被害弁償をしているか,示談をした場合に宥恕条項(相手を許す,処罰は求めないといった内容)が盛りこまれているかなど,不起訴処分となるかに大きく影響する事情について注力した弁護活動が必要でしょう。
しかし,被害弁償や示談をしようとしても被害者の方は加害者の方と会ってくれないということも多いです。
そのような場合でも,間に弁護士が入ることによって被害者の方が示談に応じてくれるという場合も多くあります。
示談が成立し不起訴となれば資格の欠格事由とはなりません。
何らかの罪にあたる行為をしてしまい,国家資格などに影響するかどうか不安な場合は早めに弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
罪を犯してしまい資格の欠格事由が心配の方は0120-631-881までお気軽にお電話下さい。
無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
(ご来所いただいての法律相談:初回無料

兵庫県尼崎市の駅内で現行犯逮捕

2019-03-20

兵庫県尼崎市の駅内で現行犯逮捕

~ケース~
Aさんは通勤中、兵庫県尼崎市内にある駅の階段を上る際、Aさんの前にいた女子高生Vのスカートの中をスマートフォンで盗撮してしまいました。
隣のサラリーマンに盗撮を目撃、通報され、Aさんは駆け付けた鉄道警察隊の警察官に兵庫県の迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは兵庫県尼崎東警察署に引致され、取調べを受けています。
(フィクションです)

~盗撮の罪について解説~

兵庫県の迷惑防止条例第3条の2第1項第1号は「公共の場所又は公共の乗物」で「正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為」をした者に、第3条の2第2項第1号は、「集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)」において「正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為」をした者に対し、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処すると定めています。
47都道府県すべてにおいて迷惑防止条例が制定されており、盗撮を行った都道府県により、適用される迷惑防止条例が異なります。

~現行犯逮捕されてしまった後の手続は?~

Aさんのように盗撮事件現行犯逮捕されてしまった場合、その後どういった手続きが取られるのでしょうか。

(警察段階)
警察官による取調べが行われますが、盗撮を行った場合、同種の余罪がないか厳しく問われることが多いです。
通常、盗撮に使用したスマートフォンは押収され、保存されている画像もチェックされます。
自宅にあるパソコンやハードディスクなども、捜索によって押収される可能性があります。

(検察段階)
警察は、Aさんの身体拘束を継続する必要があると判断した場合には、逮捕時から48時間以内に、検察官に身柄を送致します。
検察官は、Aさんに弁解の機会を与えた後、取調べを行い、Aさんを釈放するか、勾留を請求するか、あるいは起訴するかを決定します。

(勾留請求後)
逮捕だけでは、被疑者を72時間以上拘束することができません。
これを超えて身体拘束を継続する必要がある場合には、「勾留」を行う必要があります。
検察官は、裁判官に被疑者を勾留するよう求める権限を有し、これを行使することを「勾留請求」といいます。
勾留請求を受けた裁判官は勾留質問を通じ、被疑者を勾留するかどうかを判断します。
裁判官が勾留の要件を満たさないと判断した場合には、勾留請求は却下され、釈放されることになります。
一旦勾留されると、最長10日間、勾留延長されると、さらに最長10日間身体拘束を受けることになります。
検察官は、勾留の満期日までにAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするか、または処分を保留して釈放するかを決めます。

~逮捕された人と弁護士の面会~

逮捕を伴う刑事事件では、なるべく早く弁護士を付けることにより、勾留されずに、あるいは起訴されずに事件を解決できる可能性を高めることができます。
Aさんが弁護士に依頼するにはどうすればよいのでしょうか。

(当番弁護士を呼ぶ)
逮捕されてしまった被疑者が、1回だけ無料で面会できる弁護士です。
Aさん本人でも、Aさんの家族でも当番弁護士を呼ぶことができます。
取調べの対応方法などについて助言を受けることができますが、身柄解放活動や被害者との示談交渉は別途依頼を行わなければできません。

(国選弁護人を選任する)
Aさんの資力が一定の基準額(50万円)未満であり、勾留決定が出されている時、Aさんの請求により裁判所が選ぶ弁護士です。
私選弁護人を選任する経済的余裕がない方に向けられた制度です。
弁護人として行うことができる活動は、私選弁護人と変わりませんが、被疑者自身で弁護士を選ぶことはできないので、弁護士と相性が合わない可能性があるというデメリットがあります。

(私選弁護人を選任する)
被疑者側で選任する弁護人です。
被疑者と相性の合う、あるいは、かねてから信頼している弁護士を弁護人として選ぶことができますが、報酬は被疑者側で負担しなければなりません。
私選弁護人はいつでも選任することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、盗撮事件の解決実績も豊富です。
盗撮事件でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(お問い合わせは0120-631-881まで。兵庫県尼崎東警察署までの初回接見費用:37,000円

学校女子トイレの盗撮事件

2019-03-10

学校女子トイレの盗撮事件

~ケース~
Aさんは、深夜に埼玉県加須市内のX高校に侵入し、2階女子トイレの個室に小型カメラを設置し、録画を開始しました。
翌日、用を足す前にカメラの設置に気付いた女子生徒が学校に報告し、埼玉県加須警察署の警察官が実況見分を行いました。
Aさんはある朝、いつも通り会社に出勤する準備を行っていましたが、インターホンが鳴ったのでしぶしぶ玄関先まで行くと、ドアスコープ越しに多数の捜査員がやってきているのがわかりました。
驚きながらドアを開けると、逮捕状を見せられ、建造物侵入罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~盗撮と成立する犯罪~

現在、「盗撮罪」という罪名の犯罪類型は存在せず、盗撮行為を行った場所、状況によってさまざまな犯罪が成立します。
以下では、盗撮をした、またはしようとした際に成立する可能性のある犯罪を挙げていきます。

(建造物侵入罪)
建造物侵入罪(刑法第130条前段)は、正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入する犯罪です。
ここにいう「侵入」とは、管理権者の意思に反する立入りを意味します。
通常、高等学校の管理者は、女子トイレの個室に監視カメラを設置する者の立入りを容認していないと考えられるので、盗撮目的でX高校に立ち入る行為が建造物侵入罪を構成する可能性は極めて高いと思われます。

(軽犯罪法違反)
軽犯罪法第1条23号は、正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見る行為を犯罪としており、窃視の罪と呼ばれています。
カメラを使い、上記の場所を撮影録画する行為も「のぞき見」に該当します。
法定刑は拘留又は科料となっており、比較的軽い刑罰ですが、起訴され、有罪となれば、当然前科として扱われることになります。

(埼玉県迷惑行為防止条例違反)
同条例第2条4項は、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない」と「公共の場所」での盗撮等禁止しており、これに違反すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
本条例は、「公共の場所」であれば盗撮目的の写真機の設置行為も「卑わいな言動」として処罰する可能性のあるものであり、被写体が写っていなくても、本条例違反の罪が成立する可能性があります。
今回のケースの盗撮が行われようとした現場は高校の女子トイレであるため、「公共の場所」と認められて本罪が成立する可能性は低いと考えられます。

(児童ポルノ製造罪)
今回のケースでは女子生徒が用を足す前に盗撮カメラに気付いたので本罪に問われる可能性は考えにくいですが、もし女子生徒が衣服を脱いだ状態が盗撮されていた場合、本罪の成立も十分ありえます。
本罪の法定刑は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。

~今後Aさんはどうなるか~

(警察段階)
逮捕された後、警察官から取調べを受けることになります。
盗撮事件では、取調べで余罪を厳しく追及される可能性があります。

(検察段階)
警察は、逮捕から48時間以内に、Aさんの身柄を検察官のもとに送致し、検察官から取調べを受けることになります。
検察官は身柄を受け取ったときから24時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、あるいは起訴するかを決定します。

(勾留請求後)
勾留請求をされてしまったら、裁判官が勾留質問を通じてAさんを勾留するか否かを判断します。
勾留されれば、最長10日間、勾留延長がつけばさらに最長10日間身体拘束が継続することになります。
検察官は勾留の満期日までにAさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放するかを決めなければなりません。

~身柄解放活動を弁護士に依頼~

上に説明した通り、捜査段階で勾留、勾留延長されれば最長23日間身体拘束を受けることになります。
Aさんの親族はなるべく早く弁護士と相談し、身柄解放活動を依頼するべきです。
刑事手続の流れの中には、検察官による勾留請求の場面、裁判官による勾留質問など、Aさんの身体拘束を続けるかどうかを判断する機会が複数回あることがわかります。
身柄解放活動の依頼を受けた弁護士は、Aさんに有利な証拠を収集し、検察官に勾留請求をさせないよう、裁判官に勾留状を発しないよう積極的に働きかけます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、盗撮事件の実績も豊富です。
是非、ご相談ください。
埼玉県加須警察署までの初回接見費用:4万円

横浜市瀬谷区の逮捕から勾留回避を目指す

2019-03-05

横浜市瀬谷区の逮捕から勾留回避を目指す

~ケース~
Aさん(36歳 会社員)は、趣味のボルダリングをしている様子を動画で撮ろうと思い、大人気の超高画質小型軽量カメラを購入した。
Aさんは当初はボルダリングの際にカメラを使っていたが、更衣室にカメラを置き忘れた際に、偶然女性の着替えが撮影されていたことから、以後このカメラを盗撮用のカメラとして使用することを決意した。
Aさんは、上記カメラを使って、横浜市瀬谷区にある公衆トイレ、駅や電車の中で盗撮を繰り返した。
後日Aさんは、電車内で女性のスカート内を盗撮していたところを、警戒中の神奈川県瀬谷警察署の警察官に発見され、現行犯逮捕された。
Aさんは、その場で警察官にカメラ内のデータを確認され、本件カメラ及び本件カメラ内のICカードを差し押さえられた。
(上記事例はフィクションです)

上記の事例のような盗撮行為は、盗撮行為を行う地域によって異なる犯罪が成立することになり、法定刑も地域によって異なることになります。
一般的には、公共の場所で盗撮行為を行うと、各都道府県の迷惑防止条例違反に該当します(都道府県によっては公共の場所以外の盗撮も該当する可能性があります。)。
また、公共の場所以外であっても盗撮行為を行うと、軽犯罪法の覗き見の罪が成立する可能性があります。
さらに、盗撮目的で駅や建物のトイレ、更衣室に立ち入った場合には、その建物の管理権者の意思に反して侵入したといえ、建造物侵入罪が成立します。

盗撮事件で逮捕された被疑者は、まず警察官によって取調べなどの捜査を受けます。
盗撮行為中に現行犯逮捕をされた場合、盗撮に使用していたカメラなどは証拠品として押収されます。
原則として警察等の捜査機関が捜索、差押を行うためには、裁判官の発付する捜索差押許可状が必要となります。
もっとも、上記のように現行犯逮捕がされている場合には、逮捕現場において令状無く捜索を行うことが可能となり、被疑事実と関連する証拠についてはその場で差し押さえることが可能となります(刑事訴訟法220条1項1号)。
そのため、上記の事例における警察官のカメラ内のデータ確認、本件カメラ及び本件カメラ内のICカードの差押えは逮捕に伴う捜索、差押えとして適法となります。

そして、逮捕後、検察官が裁判官に対し被疑者の勾留の請求を行った場合、裁判官が被疑者を勾留すべきと判断すれば、勾留決定がなされることになります。
勾留決定が認められるためには、被疑者について、住居不定や罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあるといえる必要があります。
そのため、弁護士としては、被疑者について勾留決定がなされる前に、検察官との面会や、意見書等を通じて、家族や仕事があり逃亡する必要などないことや、すでに証拠が押収されていることなどをしっかりと主張することになります。

仮に勾留決定がなされてしまった場合であっても、弁護士としては、勾留決定に対する不服申立て(準抗告)や勾留取消しの申立て、勾留の執行停止の申立てといった活動を行うことで被疑者の身柄を解放させるための活動を行うことが考えられます。

さらに、起訴されてしまった場合であっても、被告人の権利である保釈を請求することも考えられ、この場合にも保釈請求が認められれば身柄拘束から解放することが可能となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の弁護士が多数在籍し、365日24時間初回は無料の法律相談のご予約を受け付けております。
お問い合わせメールでの相談受付も行っておりますので、お電話・メールともに困ったときにすぐにお問い合わせが可能です。
また、弁護士が警察署まで、接見(面会)に駆けつける、初回接見サービスも行っております。
盗撮事件で逮捕されお困りの方は、まず弊所の弁護士までご相談ください。
0120-631-881までお気軽にお電話ください。
神奈川県瀬谷警察署までの初回接見費用 36,500円)

武蔵野市の盗撮事件で逮捕・不起訴

2019-02-28

武蔵野市の盗撮事件で逮捕・不起訴

Aは、東京都武蔵野市内を走る電車内で向かいに座っていた女性Vのスカートの中を盗撮した。
VはAの盗撮行為に気付き、Aの盗撮を咎めたが、Aは停車した電車から降り、駅を離れ逃走した。
しかし、目撃者がAを追いかけてAを現行犯逮捕し、警視庁武蔵野警察署の警察官に、Aを迷惑防止条例違反(盗撮)事件の被疑者として引き渡した。
なお、Aは上記盗撮行為を行ったことを認めている。
Aの家族は、盗撮事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~電車や駅における盗撮行為~

スマートフォンの普及や小型カメラの高性能化などの技術進歩に伴い、盗撮行為などの被害が拡大しているといわれて久しい世の中です。
しかし、盗撮行為もれっきとした犯罪であり、迷惑防止条例等が規定する罰則に基づき、逮捕され刑事処分等を下される可能性があります。

盗撮も痴漢などと同様に、人が密集する場所などで行われることもが少なくなく、電車内や駅のホーム、あるいはエスカーターなど駅の構内外で盗撮行為が行われることが多くなっています。
本件でもAは、電車内の盗撮行為により、迷惑防止条例違反(盗撮)の容疑で逮捕されています。

各都道府県の迷惑防止条例(「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」など名称には都道府県毎にやや違いがありますが、ここでは「迷惑防止条例」で総称します)では、公共の場所又は公共の乗物等において、人の下着等を撮影することを禁じており、これらの各都道府県の規定により盗撮行為が処罰対象とされています。
罰則も都道府県によって法定刑が異なりますが、例えば東京都の迷惑防止条例では、痴漢よりも盗撮の方が法定刑が高くなっており、スマートフォン等で容易に盗撮行為に及ぶことができるからといってその刑事責任を甘く見ることは危険です。
なお、逃走の際に、鉄道会社が管理する線路上を逃走し、鉄道等の運行の遅延などを生じさせた場合には、別途民事上の賠償義務が生じる可能性があることにも注意が必要です。

~不起訴(起訴猶予等)のための刑事弁護活動~

「逮捕=有罪」ではないことから明らかであるとおり、本件のように被疑者が逃げ出したからといって、実際に犯行を行ったと断言することはできません。
したがって、弁護士としては、否認事件である可能性も含めて、接見(面会)等により本人の言い分をしっかり聞いてあげる必要があります。
もっとも、本件Aのように本人が盗撮行為を認めているような場合には、自白事件として対応することになるでしょう。

自白している被疑者にとって、最も軽い処分の一つが前科のつかない不起訴処分ですが、不起訴(ここでは起訴猶予の獲得が焦点となります)となるためには、被害者との示談の成立の有無が重要になってきます。
しかし、加害者自身が被害者と示談することは、実際上は困難が伴います。
被害者は見知らぬ人であることも多く、そもそも被害者とコンタクトを取ることすら容易ではありません。
したがって、示談交渉は弁護士を通して行うことが不可欠といえます。
被害者感情への配慮という観点からも、弁護士が間に入ることで、被害者および加害者が望む形での事件解決が図られる可能性が高まるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
盗撮事件を扱った経験が豊富な弁護士が、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には多数在籍しております。
近年盗撮事件は増加の一途を辿っていることもあり、弁護活動にあたっては、その経験が迅速な対応を可能とします。
盗撮事件(迷惑防止条例違反事件)で逮捕された方のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはお問い合わせください。
警視庁武蔵野警察署までの初回接見費用:36,100円)

東京都中央区の盗撮事件

2019-02-23

東京都中央区の盗撮事件

~ケース~
Aは,東京都中央区でフィギュアスケートの大会を観戦中,望遠レンズを装着したカメラで演技中の女性選手の胸部や脚部,臀部などをアップにした写真を撮っていた。
Aが写真を撮っていることに気づいた警備員の通報によりかけつけた警視庁築地警察署の警察官にAは話を聞かれることになった。
なお,本大会は特に撮影禁止などの案内はなかった。
(フィクションです)

~盗撮行為~

今回の事例のAは,どういった容疑によって話を聞かれることになったのでしょうか。
Aはカメラを使って撮影していたので盗撮となると思われるかもしれません。
しかし,Aは女性選手を望遠レンズを使用して撮影していただけです。
それでも盗撮となってしまうのでしょうか。

そもそも,盗撮とは法律上どのような行為をさすのでしょうか。
実は,盗撮は刑法で盗撮罪といった犯罪が規定されているわけではありません。
各都道府県が制定する迷惑防止条例によって盗撮行為の禁止,および罰則が規定されています。
例えば東京都の迷惑防止条例では以下のようになっています。

東京都迷惑防止条例
第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
(1)公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
(2)次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
(3)前2号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。
(以下略)

1項は痴漢についての規定で,2項が盗撮に関する規定です。
条文では盗撮の対象は通常衣服で隠されている下着又は身体とされています。
フィギュアスケートの演技中の場合,脚部や臀部は通常衣服で隠されている身体とはいえず,盗撮の対象とはならないと思われます。
しかし,3項で痴漢や盗撮のほか,卑わいな言動をすることを禁止しています。
卑わいな言動とは,「社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな動作」と最高裁で判示されています。
そして,卑わいな言動によって人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせた場合には本条によって罰せられることになります。

今回のケースでは,Aは女性選手の胸部や臀部ばかりを撮影しています。
こうした部位ばかり撮影されたことを女性選手が知った場合,著しく羞恥すると思われますし,そうした部位ばかりを撮影することは「社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな動作」と言えそうですので,Aは本条によって罰せられる可能性があります。
東京都の場合,罰則は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

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盗撮カメラ設置事件(福岡市東区)

2019-02-18

盗撮カメラ設置事件(福岡市東区)

Aは、福岡市東区内のショッピングモール内の女子トイレに盗撮目的で侵入し、誰もいない隙に小型カメラを設置した。
なお、盗撮カメラの設置はしたものの、Aの設定ミスにより、盗撮カメラには映像は残っていなかった。
福岡県東警察署の警察官は、Aを建造物侵入罪及び福岡県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。
Aの家族は、盗撮事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~盗撮のための侵入・カメラの設置行為~

まず本件のAは、ショッピングモールの女子トイレへ侵入した行為につき建造物侵入罪で逮捕されています。
刑法130条前段は、「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し……た者」を住居侵入罪や建造物侵入罪に処する旨を規定しています。
本件では、ショッピングモールは住居ではなく「人の看守する……建造物」に当たるため、建造物侵入罪が問われることになります。
Aは、盗撮目的を秘してショッピングモールおよび同施設内の女子トイレに侵入しており、管理者の意思に反してこれらの場所に立ち入ったことは明らかといえることから、建造物侵入罪の成立が認められることになるでしょう。
建造物侵入罪は罰則として「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」を定めています。

つぎに、Aはショッピングモールの女子トイレ内を盗撮するためにカメラを設置しており、この点につき福岡県のいわゆる迷惑防止条例違反で逮捕されています。
迷惑防止条例は、各都道府県が制定する条例であることから、当該都道府県ごとに規定に微妙な違いがあります。
しかし、トイレに盗撮目的でカメラを設置する行為に関しては、以下のように処罰する規定を置いていることがほとんどです。
福岡県の迷惑防止条例の例を見てみましょう。

第6条第1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1 他人の身体に直接触れ、又は衣服の上から触れること。
2 前号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

第3項
何人も、正当な理由がないのに、第1項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1 公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
2 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。

したがって、Aの盗撮目的のカメラの設置行為は福岡県の迷惑防止条例違反として処罰される可能性が高いといえるでしょう。
こちらの罰則としては「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(同条例11条2項)などと規定している都道府県が多いのが現状です。
なお、実際に撮影した場合には、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(東京都の迷惑防止条例8条2項1号参照)と法定刑が加重する都道府県もあることに注意が必要です。

本件では、女子トイレ内に盗撮用のカメラを設置するために、ショッピングモール内の女子トイレに侵入していることから、女子トイレに侵入したことによる建造物侵入罪と盗撮カメラを設置したことによる迷惑防止条例違反は、手段と結果の関係にあるといえ、牽連犯(54条1項後段)として「その最も重い刑により」処断されることになります。
したがって、本件ではより重い建造物侵入罪(刑法130条前段)の刑が科される可能性があることになります。

警察官に逮捕されてしまうと72時間以内に検察官による勾留請求がなされ、10日間に及ぶ勾留という身体拘束を認めるかどうかが判断されることになります。
これは、単純計算で勾留満期まで最大13日間(勾留延長された場合を除く)の身体拘束の可能性が生じることになり、さらに勾留延長がなされればそこから10日間の身体拘束がなされますから、その社会的不利益は甚大です。
したがって、弁護士としては逮捕段階において、勾留の要件(刑訴法207条1項本文、60条1項)を満たさないことを主張するために検察官に働きかけるなど迅速な弁護活動を行っていくことが重要になってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
建造物侵入罪及び迷惑防止条例違反事件で逮捕された方のご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐにお問い合わせください。
福岡県東警察署までの初回接見費用:36,000円

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